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宣紙とは?

コラム, , 道具の話

中国を代表する「宣紙」とは


書道作品や水墨画作品などに使われる手漉き紙に、「宣紙」(別名「 本画仙(ほんがせん)」)というものがあります。

「宣紙」と名乗ることができる紙には決まりがあります。

①中国安徽省宣城地域(あんきしょうせんじょうちいき=現在の「烏溪」)で漉かれた紙
②①の地域で定められた原料を用いて、伝統的手法に基づいて漉か れた紙

上記の①と②の条件を満たした紙だけが「宣紙」と名乗る資格を持っています。
ですから、「宣紙」はごく限定された紙となります。

 

宣紙の最高級品「紅星牌」

中国宣紙の代表格としてその名が知られる「紅星牌」。
書道に携わる方ならこの名を知らない方はいないのではないでしょ うか。

もちろん書道を志しているすべての方が好む紙質というわけではありま せんが、
日本にも数多くの紅星牌愛好者がいらっしゃいます。やはりそれは特別な風合いを持ち合わせているからこそ。
そんな中国宣紙の代表格である紅星牌について詳しくご紹介いたし ます。

 

厳選された優良な原料のみを使う

宣紙の中でも名高い紅星牌の所以は、まずその原材料から始まります。
2~3年生の青檀樹の皮と砂地で育てられた稲藁、そして生産地の 水で製造されます。

定められた原料とは

青壇皮(せいだんぴ)と稲藁(いねわら)のことです。
「青壇(せいだん)」というのは、楡(二レ)科の落葉高木で、中 国の限定された地域に分布する青壇樹という落葉樹です。
この樹皮が紙の材料に優良とされ、特に中国の安徽省宣城市で採れ た青壇皮は最優良品とされており、この樹皮は耐水性と耐蝕性に優れており、強度があって、きめ細かいという特徴があります。

「稲藁」は、安徽省の周辺農家で作られた砂田稲藁(中国の稲は日 本の稲よりも背が高く大きい)のみが使用されます。

熟練の腕を必要とする紙

伝統的手法とは

漉く紙の大きさに応じ、「複数の紙漉き職人が呼吸を合わせて紙を漉く」という方法です。

もちろん紙漉きはご存知の通り、純粋な手漉きで行われます。

こうして定められた原料と製法が合わさって、長期保存に向く紙ができ上がります
(ミジミを止める薬品は一切使用されません。)
厳選し定められた原料と職人技が合わさって造られる紙こそが、宣紙 の代表格たる所以ではないでしょうか。

紅星牌を漉くには、熟練の技が必要とされています。
生産数が限られることもあり、紅星牌を漉くことができるようになるには数年もかかるほどの至難の技だとされています。

全てにおいて最高のものが揃ってこそ生まれる貴重な紙なのです。

墨のニジミが美しく、保存向き

丁寧に造られたその紙質は、書き味もまた格別であり、ニジミがとてもに美しく表現され、
虫を寄せ付けにくい性質をもち、腐りにくく長期保存に最適とされています。
それゆえに、千年以上も前から中国に継承されてきた名家の書画などは そのほとんどに宣紙が使われてきたと言われています。

重要な書類や史料の保存に宣紙が活躍してきた事実がその優れた特 徴を物語っています。

配合率や漉き方で変わる宣紙の呼び方

宣紙には共通した呼び方があります。
原料の配合率や漉き方によって下記の通り分類されています。

  • 棉料単宣(めんりょうたんせん)
  • 浄皮単宣(じょうひたんせん)
  • 浄皮羅紋(じょうひらもん)
  • 棉料綿連宣(めんりょうめんれんせん)
  • 棉料重単宣(めんりょうじゅうたんせん)
  • 棉料夾宣(めんりょうきょうせん)
  • 棉料二層夾宣(めんりょうにそうきょうせん)
  • 棉料三層夾宣(めんりょうさんそうきょうせん)


素材や漉き方での違いにより、宣紙の中でも特徴が違ってきます。
厚手の紙なのか薄手なのか、また滲みやすいのか滲みにくいのか-その違いについてご紹介します。

 

棉料単宣(めんりょうたんせん)

基準となる紙で、薄手です。
宣紙の原材料配合率が青檀皮 約30%/稲藁 約70%という配合で製造されています。
稲藁の割合が多い為、浄皮単宣に比べニジミがやや多くなります。

 

 

浄皮単宣(じょうひたんせん)

厚さは棉料単宣と同様に薄手です。
宣紙の原材料配合率は青檀皮 約40%/稲藁 約60%という配合で製造されています。
稲藁の割合が棉料単宣に比べ少ない為、棉料単宣よりもややニジミ が少なくなります。

 

浄皮羅紋(じょうひらもん)

細かな網目状の簾の目で漉かれた紙で、羅紋模様の漉き目が特徴的な紙です。
宣紙の原材料配合率は青檀皮 約40%/稲藁 約60%という配合で製造されています。
浄皮単宣よりも薄く漉かれるため、浄皮単宣よりもややニジミが多 くなります。

 

棉料綿連宣(めんりょうめんれんせん)

単宣よりも薄く漉いています。墨の色が最も美しく出ると言われています。
宣紙の原材料配合率をは青檀皮 約30%/稲藁 約70%という配合で製造されています。

 

棉料重単宣(めんりょうじゅうたんせん)

単宣を少し厚く漉いています。単宣より厚く漉かれることで墨色に深みが出ます。
宣紙の原材料配合率は 青檀皮 約30%/稲藁 約70%という配合で製造されています。

 

棉料夾宣(めんりょうきょうせん)

紙を漉く際に二度すくいして漉かれていて、単宣を2枚合せにした程度の厚さがあります。
宣紙の原材料配合率は青檀皮 約30%/稲藁 約70%という配合で製造されています。
紙に厚さが出るため、ニジミがやや少なくなり、墨色に奥行が増し、力強い表現に適しています。

 

棉料二層夾宣(めんりょうにそうきょうせん)

夾宣を乾燥させる際に2枚重ねにし、1枚の紙として乾燥させています。
宣紙の原材料配合率は青檀皮 約30%/稲藁 約70%という配合で製造されています。
厚さがある為、墨が紙の奥深くに浸透し、横への広がりが少なくな ります。
夾宣よりも更に力強さが表現できます。

 

棉料三層夾宣(めんりょうさんそうきょうせん)

夾宣を乾燥させる際に3枚重ねにし、1枚の紙として乾燥させています。
宣紙の原材料配合率は青檀皮 約30%/稲藁 約70%という配合で製造されています。
厚さがある為、墨が紙の奥深くに浸透し、横への広がりが少なくな ります。
二層夾宣よりも更に力強さが表現できます。

紙が薄い場合、必要な墨の量が少なくなるため、運筆が軽く、それに伴い線の切れ味を表現しやすくなります。
また、紙の厚さが薄いため、墨の広がりが横に広がることからニジ ミが多くなる傾向があり、カスレにくい紙質となります。つまり、薄い紙は「筆を良く動かす作品」や、「切れ味を重視する作品」に向く紙といえます。

紙が厚い場合、必要な墨の量が多くなるため、運筆が重く、それに 伴い線の深みを表現しやすくなります。
また、紙の厚さが厚いため、墨の広がりが奥に入り込むことから、 ニジミが少なくなる傾向があり、カスレが出やすい紙質となります。つまり、厚い紙は「一画一画をしっかり書く作品」や、「深みや重みを持たせたい作品」に向く紙といえます。

どんな作品を書きたいか紙の特徴や厚さによって選んでみたり、いつもと違った紙に挑戦したりしてみたくなりますね。

紙選びはとっても奥が深いもの。
紅星牌に関わらず、使い慣れたいつもの紙も良いですが、今一度紙 を選びなおしてみるのもまた新たな発見になるでしょう。

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