カテゴリー: 道具の使い方

ハウトゥ関係

  • 硯の洗い方・研ぎ方

    硯の洗い方・研ぎ方

    硯は墨を磨るための道具として、紀元前である殷の時代に硯の原形が発生し、日本では飛鳥時代に伝わったとされています。
    古では硯は石や土・瓦・玉・陶器などから作られ、銘硯といわれる石質の発見と、優れた彫刻家によって時代と共に実用・鑑賞用に発展してきました。
    書道は墨を磨るところから始まると言われるように、墨磨りは重要視されるため、清潔に手入れされた硯で墨を磨って心を整えたいですね。
    硯を清潔に保っていない場合、硯にこびりついた墨が悪影響を及ぼし、墨色を悪くしたり、悪臭を放つ原因にもなります。
    また、またこびりついた墨の腐敗が原因で、表具の際に不具合が発生することもあります。
    硯は使う度に硯を丁寧に洗うことで清潔に保ち、長く大切に使いましょう。
    それでは愛玩品ともなる「硯」を大切に使うためのお手入れ方法をご紹介します。

    硯の洗い方

    1.硯をお湯に20分~30分程度つけ置き

    墨の原材料となる膠は、お湯で溶かすことができますが、膠を溶かす最適温度は 約70℃とされています。
    70℃程度のお湯につけ置きすることで硯にこびりついた煤や膠の汚れが落ちやすくなり、目詰まりの解消にもつながります。

    硯をお湯につけ置きする

    2.やわらかい素材で硯を洗う

    硯にキズがつかないよう、やわらかいスポンジや柔らかい毛質の歯ブラシなどでやさしく丁寧に水洗いしてください。
    硯の縁周辺や隅っこなど洗いにくい箇所も丁寧に洗いましょう。

    やわらかい素材で硯を洗う

    3.水分のふき取りと乾燥

    洗い終えた硯は、布などで水分を拭き取るなどした後、急激な乾燥は避け自然乾燥させてください。

    硯を乾かす

    墨が固まって取れにくいときは

    頑固にこびりついた墨を取り除きたい時も上記の1.2.3.と同様の方法でお手入れしていただければ問題ありません。
    それでも墨汚れが落ちない場合は、お湯に浸す時間を長くするなどしながら、上記を何度も繰り返して根気よく洗ってください。

    墨が磨れにくいと感じた時は

    墨を磨ってもなかなか磨れない、磨れているような気がしない、という経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。
    硯で墨が磨れるのは、硯の表面にある「鋒鋩(ホウボウ)」というヤスリの役割りを果たす細かな凹凸で墨が磨れます。
    この鋒鋩が摩耗するために墨が磨れなくなるということもあるようですが、鋒鋩はそんなに簡単に摩耗するものでありません。
    もし墨が磨れにくいと感じられた時は、以下の方法をお試しください。

    1.硯を洗い直してみる

    硯の表面を確認して墨の汚れが付いていないように見えても、鋒鋩の凹凸に目詰まりした煤や膠がこびりつき、鋒鋩を目詰まりさせている場合があります。
    この場合は、膠が最も溶解するといわれる 約70℃のお湯に20分~30分程度硯を浸し、やわらかいスポンジなどで丁寧に洗い直す必要があります。
    これまで一度もこの方法で洗われたことがない場合は、何度か繰り返して洗うと効果的だと思われます。

    2.墨の種類を確認する

    和墨で墨が磨れないということはまず考えにくいことですが、唐墨は和墨に比べて墨が磨りにくい(黒くなり辛い)傾向があるため、もし唐墨をお使いの場合は、和墨に替えてみるのも方法です。

    3.硯の目立てをする

    硯をどれだけ洗っても、墨の種類を替えても、それでも墨が磨れない時の最終手段は、硯の「目立て」です。
    硯の目立てとは、硯の鋒鋩の凹凸を鋭くし直すことで、長年の使用によって摩耗した鋒鋩の目立てを行うことで以前のように墨が磨れるようになります。

    硯の「目立て」はあくまでも最終手段であって、安易に行うのは危険です。慎重に慎重に行うようにしましょう。
    詳しい方法は下記にてご確認ください。

    硯の「目立て」の方法(研ぎ方)

    硯の目立てには、二通りの方法があります。
    1.クリーム状の研磨剤を使用する方法
    2.クリーム状の研磨剤+耐水ペーパーを使用する方法
    3.硯用の砥石を使用する方法

    順にご説明しますが、その前に予備知識を少し。

    良質な硯の鋒鋩は、基本的に磨墨によって摩耗することはほとんどありません。
    そのため、良質な硯には目立てを行う必要がないと言っても言い過ぎではないと思われます。
    下の画像のように、硯は目立てを行うことで硯の表面が削られ、硯の色が変わったり、最悪の場合は大切な硯にキズがつくこともあり得ます。
    硯の目立ては、普段から硯を正しくキレイにお手入れされている方にはほとんど必要ありませんので、あくまでも硯の目立ては最終手段として、最悪の場合も想定して自己責任で行うようにしてください。

    1.クリーム状の研磨剤を使用する方法

    クリーム状の研磨剤として、皆さんご存知の「クリームクレンザー “ジフ”」を使用します。
    ジフはアルカリ性のクリーム洗剤で、汚れを浮き上がらせる界面活性剤とその汚れを削り落とす研磨材が組み合わされた洗剤です。
    また、ジフに使用されている研磨材は天然成分のカルサイトで、ガラスやステンレスよりやわらかいため、硯にキズをつけることなく硯をキレイにしてくれます。

    クリーム状の研磨剤を使用する

    使い方は簡単。
    硯を膠の溶解に最適と言われる約70℃のお湯に20分~30分程度つけ置きます。
    お湯の力で硯にこびりついた膠が溶解されるので、硯をお湯から出し、ジフを歯ブラシにつけ、墨を磨る要領で円を描くようにやさしくこすります。
    (ゴシゴシこすらないようにしましょう。)
    墨を磨る硯の墨堂(丘)はもちろん、墨がこびりつきやすい隅っこや、洗いづらい場所もしっかりとこすりましょう。
    何度も何度も全体をまんべんなく繰り返しこすることで、粗いジフの研磨剤粒子が細かくこなれていきますので、根気よくキレイにしましょう。
    キレイにできれば、40℃程度のお湯で硯をキレイ洗い、余分な水分をふき取ります。
    ジフで研磨したことで表面が削られるため、硯の表面が本来の明るい石色に変わりますが、硯を使っては洗い、使っては洗いを繰り返す間に馴染んできますのでご心配には及びません。

    硯をジフでやさしくこする
    ジフ研磨後

    ジフ研磨後の状態です。
    ※研磨を行うと、どうしても研磨後の画像のように硯の色は変わります。
    硯の色が変わることを好まれない場合は、目立てを行わないでください。

    2.クリーム状の研磨剤+耐水ペーパーを使用する方法

    1のジフで目立てを行った硯は、鋒鋩が研ぎ澄まされるため、鋒鋩の目が立ち過ぎるように感じられるかも知れません。
    そんな時は、耐水ペーパー(耐水ペーパーの番手は *注1 を参照)を使用します。
    硯を十分に水で濡らし、墨を磨る墨堂(丘)全体を耐水ペーパーで研磨します。
    この研磨によって、鋒鋩は残しながらも周囲の立ち過ぎた余分な部分を落とし、磨り心地を向上させることができます。

    耐水ペーパーは小さくちぎって折り畳むなどし、指の腹に敷いて墨を磨るイメージで円を描くように全体をまんべんなく研磨します。
    耐水ペーパーを指で押し付けてこすりつけるのではなく、全体を軽い力でまんべんなくペーパーをかけるようにしましょう。
    ただ、耐水ペーパーはすぐに目が詰まるため、指への抵抗感が変わってきたら調子が変わらないように何度か耐水ペーパーを取り換えながら硯の墨堂(丘)全体を研磨しましょう。
    (耐水ペーパーの番手数字が大きいほど目が細かくなるため、すぐに目詰まりします。)

    これで、ジフで研磨して立ち過ぎた鋒鋩が滑らかになります。
    全体的にまんべんなくジフで研磨できれば、40℃程度のお湯で硯をキレイ洗い、余分な水分をふき取りましょう。

    耐水ペーパーを使用する

    【*注1】 硯によって耐水ペーパーの番手は変えた方が良いと思われます。
    大まかな目安の耐水ペーパーの番手は、以下を目安にしてください。

    ・端渓硯:#2000~#3000
    ・歙州硯:#800~#1000
    ・羅紋硯:#600~#700
    ・学生羅紋硯:#400~#500

    ※耐水ペーパーの番手は、数字が大きくなるほど目が細かくなります。
     目の細かな磨り心地を求められる場合は、#3000・#4000の耐水ペーパーをご使用ください。
    ※繰り返しお伝えしますが、硯の目立ては硯を正しくキレイにお手入れされた硯にはほとんど必要ありません。
     あくまでも硯の目立ては最終手段として、最悪の場合も想定して自己責任で行うようにしてください。

    耐水ペーパーの種類
    ★★★耐水ペーパー研磨を行う前と後の画像を掲載★★★

    ※研磨を行うと、どうしても研磨後の画像のように硯の色は変わります。
    硯の色が変わることを好まれない場合は、目立てを行わないでください。

    3.硯用の砥石を使用する方法

    硯の目立ての方法として有名なのは「硯用砥石」ですね。
    一般的な硯用砥石は、固形化した泥の層を切り出したものです。
    泥砥石は泥の中に含まれた超微細な不純物(金属や砂利・ガラスなど)が含まれていることがあり、砥石をかける際に硯にキズがつく場合があります。
    泥砥石はあくまでも天然素材の製品のため、予めご了承の上ご利用ください。

    それでは硯に砥石をかける方法ですが、泥砥石をかける際は、予め硯面を水に浸し、泥砥石で墨を磨るように砥石をかけます。
    硯の角や洗いにくい箇所の場合は、砥石を砕くなどして小さな欠片を使って砥石をかけましょう。
    この砥石をかける工程は、硯面の凹凸を矯正するのではなく、目立てが目的です。
    そのため、力を入れて砥石をかけるのではなく、墨を磨るのと同様にやさしく力を入れずにかけましょう。
    砥石をかけ終えたら、硯をキレイ洗い、余分な水分をふき取りましょう。

    砥石をかけても良い硯と悪い硯

    泥砥石が天然素材でできているため、超微細な砂利が硯を傷つけてしまう可能性があります。
    そのため、泥砥石をかけても良い硯は?と尋ねられるとすると、「基本的にはどんな硯であっても泥砥石の使用は避けられた方が賢明です。」というのが本音です。
    どうしも砥石をかけられたい場合は、万が一硯にキズがついても諦めがつく硯にのみご使用になることをお勧めします。

    購入してすぐの硯で墨が磨れないときは

    中国の硯に多くみられる現象ですが、購入してすぐの硯は見た目を美しく保てるように、表面に化粧を施していることがあります。
    化粧を施された硯は、購入したままの状態で墨を磨っても墨がおりにくく、墨が硯の上を上滑りしているような感触や水を弾くような現象が起きます。
    この場合は、「硯の洗い方」の通り、硯を約70℃のお湯に20分~30分程度つけ置き、やわらかい素材ので硯を洗う、これを数回繰り返すと化粧が取れて墨が磨れるようになります。
    (硯への化粧は蝋(ロウ)を塗られていることが多いため、蝋を溶かす最適な温度は、膠の溶解温度と同様で、約70℃のお湯に浸して洗うのが理にかなっています。)
    複数回洗っても違和感が残るように感じられる場合は、通常の使い方である「墨を磨っては洗い、墨を磨っては洗い」を行っている間に化粧が落ち、本来の硯の磨り心地となります。

  • 篆刻の勧め(実践編)

    篆刻の勧め(実践編)

    今回は印刀を用いて実際に彫る作業をご紹介させていただきます。なお、篆刻前の準備はコチラの記事をお読みください。

    印刀の持ち方

    筆と同様に印刀の持ち方がありますので、確認してみましょう。

    単鉤法(たんこうほう)

    親指と人差し指で持つ

    双鉤法(そうこうほう)

    親指と人差し指・中指で持つ

    印刀の使い方

    次に印刀の使い方ですが、刀の運び方になります。運刀(うんとう)とも言います。

    引き刀

    奥から手前に向かって彫る

    押し刀

    手前から奥に向かって彫る。突き刀とも言う。

    初心者の方は、石に粘土がある柔らかい石の利用をお勧め致しますが、引き刀の場合に刀が急に滑り怪我をする可能性があります。その為に押し刀での製作、また、印床をご利用いただくとより安全です。

    なお、選文によっての運刀の違いもありますのでご紹介いたします。

    • 白文 線の右側に刀を当てながら刻る
    • 朱文 線の左側に刀を当てながら刻る

    白文の例。印床で固定し、印稿の線の右側を押し刀で彫る

    仕上げの作業

    補刀

    彫り終わった後で押印し、その印影を見て手直しをする事

    撃辺

    印が劣化したかのような意図的に欠けたような彫りを入れる事

    押印

    印箋用の紙は非常にきめの細かい紙となっています。紙をなぞって目を潰して平らにする事で、押印に失敗する事が少なくなります。また、押印については下記のリンクもご参考ください。

    印矩の使い方

    今回使用した道具は以下となります。

    印材:巴林石 2.5cm角 高5.0cm 

    印刀:書遊印刀 6mm 

    墨:未仕上げ墨 五ツ丸萬世墨 1.0丁型 日本製墨 

    朱墨: 印材朱 赤口 約6g 日本製墨 

    硯:羅紋 篆刻二面硯 

    印泥:上海西冷印社印泥 美麗 1/2両装 

    印床:木製カリン ネジ式 【日本製】※動画では大を使用(現在廃番) 

    水ペーパー:#600(N) 1枚 

    転写紙:篆刻用転写雁皮紙 40枚入 

    印矩:木製/黒 T型 

    印褥台:墨んぼ10.3*13.5cm

    動画での紹介はこちら

    篆刻は場所を問わずに創作活動が出来ますので、ぜひ挑戦してみてください。

     

  • 篆刻に必要な道具(篆刻初心者の方向け)

    篆刻に必要な道具(篆刻初心者の方向け)

    「篆刻に興味があるけど、どんな道具がいるの?」「初心者がまず揃えておくべき道具は?」
    これから篆刻を始めたい方に向けて、篆刻に必要な道具について解説します。
    たくさん道具を揃えないといけない…と思われるかもしれませんが、一度ご用意いただければ長く使えるものばかりです。
    紹介する道具は書遊Onlineでお買い求めいただけますので、あわせてご覧いただけますと幸いです。

    印材(いんざい)

    篆刻印材には、石、木材、竹根(ちっこん)、象牙、水晶が使われます。
    石を使うことが多く、石はそのほとんどを中国から輸入しています。
    石は種類もサイズも豊富です。
    主な石としては、寿山平頭石(じゅさんへいとうせき)、青田青白章石(せいでんせいはくしょうせき)、昌化石(しょうかせき)、巴林石(ぱりんせき)があり、これらは四大印材と呼ばれています。
    彫りやすさが異なりますので、いろいろな種類の石を試してみて、自分に合ったものを見つけてください。
    初心者の方は、2.3cm角や2.5cm角、3.0cm角(一寸サイズ)がおすすめです。

    印刀(いんとう)

    別名「鉄筆」と呼ばれ、印を彫るときに使います。
    刃の角を使って石を彫っていきます。
    印刀には、中鋒(両刃)と片鋒(片刃)があり、石を彫るときは中鋒(両刃)を使います。
    柔らかい石には厚刃、硬い石には薄刃が適しています。
    印刀のサイズは彫る石のサイズによって変えますが、初心者の方には幅6mm程度のものがおすすめです。

    墨、朱墨

    墨は印稿作成時に使います。
    印稿とは印を彫る際の元になる原稿のことです。彫りたい文字を紙に書きます。
    墨液も使えないことはないのですが、固形墨を磨って使うほうが、よりきれいに作ることができます。

    朱墨は、布字(ふじ)をするときに使います。
    朱墨も固形墨がおすすめです。
    手にとったとき重いものを選ぶとよいでしょう。

    布字(ふじ)とは、印面に筆で文字を書き込むこと。
    昨今では、“印面に文字を転写する行為”も意味するようになりました。

    小筆

    小筆を2本用意します。
    墨用と朱墨用です。
    小さい印面に細かい字を書きますので、穂先がよく利くものが適しています。

    硯

    墨用と朱墨用の2つ用意してもかまいませんが、2つ合わさったコンパクトな二面硯がおすすめです。

    印泥(いんでい)

    押印(印を作品に押すこと)するときに使います。
    作風やご自身の好みに合わせて色をお選びください。

    印泥の使い方についてはこちら>>

    印床(いんしょう)

    印を固定する台です。
    印を手で持って彫るのは大変ですが、印床に印を挟んで固定すれば安全に彫ることができます。
    印床には、「ねじ式」と「くさび式」があります。
    「ねじ式」はねじで締めるので、誰でも簡単に使用することができます。
    「くさび式」は木槌で締めるので、彫り終わるまで緩んだりすることがありませんし、壊れることがありません。
    彫りたい印材の大きさによって対応する印床のサイズが変わりますので、確認してお選びください。

    水ペーパー

    印材に入っている傷を消したり、印面を平らに整えたりする際に使う紙やすりです。
    水をつけてこすります。
    印材の質感にもよりますが、目が粗いもの、中くらいのもの、細かいもの、の3種類が基本的となります。
    現在の販売されている印材では、400~800番くらいでしっかり水を水ペーパーに垂らして印面を整えることを十分綺麗な状態になります。

    転写シート

    雁皮でできている、布字をするための紙です。
    別紙に書いた印稿をこの転写シートを使って印面に転写します。
    転写シートを使わない方法(マジックインキ転写法)もあります。
    マジックインキ転写法の場合は、マジックインキ(イエロー)とトナー式プリンターをご用意ください。

    字典

    彫る文字の字形を調べる際に使います。

    以下は、補助的な道具です。
    無くても大丈夫ですし、代用できそうなものがあったらそちらをお使いください。

    水滴

    墨を磨る際や、水ペーパーを使う際に使います。

    印矩(いんく)

    印を押したい位置に押すための道具です。
    印専用の定規のようなものです。

    印矩の使い方についてはこちら>>

    印褥台(いんじょくだい)

    印をおすときの下敷きです。

    ブラシ、歯ブラシ

    印を彫っていくと、印面に粉がつきます。
    粉を落とすのに歯ブラシのようなものがあると便利です。

    布

    印をふく布です。
    印についた印泥をふくときに使います。
    ティッシュペーパーでも構いません。

    まとめ

    これらが篆刻に必要な道具です。
    たくさんありますが、印刀や印床など一度用意いただければ長く使えるものがほとんどです。
    「篆刻は難しそう」という印象をお持ちの方も多いかもしれませんが、自分で彫った印があれば、作品作りがより一層楽しくなると思います。
    ぜひチャレンジしてみてください。

  • 印泥にまつわる豆知識

    印泥にまつわる豆知識

    書作品に欠かせないアイテム、印泥。
    印泥が固まってしまったとき、ゆるくベタベタになってしまったときの復活方法や、日々のお手入れ方法についてご紹介いたします。

    印泥とは

    印泥は、辰砂(硫化第二水銀)を主原料に、「もぐさ」と呼ばれる植物の繊維と油を混ぜて作られていると言われています。
    印泥は中国で作られ、それぞれの職人が秘伝として継承しているため、詳細はわからないのです。
    「上海西冷印社」の印泥が有名です。
    辰砂(硫化第二水銀)は体に有毒なので、誤って口に入れないように注意してください。

    印泥とは
    ■ 印泥の使い方はこちら>>

    印泥が固まってしまったとき

    長期間使わなかったり、温度の低い場所で保管していたりすると、印泥が固くなって印に印泥がうまくつかなくなることがあります。

    印泥が固まってしまったとき

    表面だけが固まっている場合

    表面だけが乾燥して固くなっている場合は、底からしっかり混ぜて、表面の固い部分と中のほうのやわらかい部分を混ぜ合わせてください。
    このとき金属のへら等を少しあたためて使うとより混ぜやすくなります。

    全体が固まっている場合

    印泥をあたためると、やわらかくなります。
    少しずつ様子を見ながらあたためてください。
    このとき金属のへら等を少しあたためて使うと、より混ぜやすくなります。
    対処方法を4つご紹介いたします。

    1. 暖房器具の近くに置き、ゆっくりあたためる

    2. 容器の底に遠くからドライヤーの温風をあてる

    3. 印泥をナイロン袋(耐熱)に入れ湯煎(ぬるま湯)であたためる

    印泥を容器から取り出し、ナイロン袋(耐熱)に入れます。袋の口を縛り、袋ごとぬるま湯につけます。
    やわらかくなったら、袋の上から軽くもむように混ぜます。
    混ざったら容器に戻してください。

    4. 印泥用の油を混ぜる

    印泥専用の油が売っていますので、それを少し混ぜていただくとやわらかくなります。
    ひまし油や、半固体のグリース油がお使いいただけますが、印泥メーカーが発売している専用の油のほうが安心です。
    ※弊社Onlineショップでは取り扱いはございません。

    印泥がベタベタになってしまったとき

    夏の暑い時期は、ゆるくなったり、油が分離してベタベタになったりしやすくなります。
    対処方法を2つご紹介いたします。

    1. 手ぬぐいやさらしなどで表面の油分を取る

    手ぬぐいやさらしで印泥の表面をとんとんと優しくたたき、油分をふき取ってください。
    印泥のサイズに切った手ぬぐいやさらしを印泥の上にのせて一晩おいておくのも効果的です。
    印泥の油分が分離してベタベタになっている場合、そのまま作品に押されますと、少し経ってから印の周囲に油がにじみ出る場合があります。
    印泥の染み出した油分はできるだけ吸い取ってからご使用ください。

    2. 冷蔵庫で少し冷やす

    冷蔵庫で少しの間冷やしてからよく混ぜてお使いください。
    様子を見ながら少しずつ冷やしてください。

    日々のお手入れと、印泥の保管で気を付けたいこと

    印泥は使うたびにしっかりと練り混ぜてください。
    長期間使わない場合も、月に1度程度は混ぜていただくと、固まったり、油が分離してベタベタになったりするのを防ぐことができます。
    印泥を保管するときは、陶器の容器のふたをし付属の箱に入れて保管してください。
    印泥は、暑いとベタベタになってしまい、寒いと固まってしまいます。
    適度な温度の場所で保管していただくのがおすすめです。

    印泥を混ぜる

    印泥の容器(印合)はなぜ陶器が多いの?

    印泥は、そのままだと印泥に含まれる油が蒸発しやすいのですが、陶器は油の蒸発を抑える効果が高いことから印合によく使われます。
    また、桐箱が付属していることもありますが、桐箱は中の湿度を一定に保とうとする働きがあり、印泥を長持ちさせる効果があります。

    印泥の容器

    有害な重金属を一切含まない「七宝印泥」

    「七宝印泥」は有害な重金属を一切含まない有機・無機顔料を用い、昔ながらの製法で作られたオーガニックな印泥です。
    人にも地球にもやさしい、環境に配慮した安心・安全な印泥としてご利用いただけます。
    硬くならず目詰まりしにくい高級もぐさと良質な油を使っているため、印泥がかたくなったり、油分が分離してしまったり、というトラブルが少ないのが特徴です。
    また、使用時にほのかに香る白檀の香りが心を整えます。

    「七宝印泥」詳細ページへ

    七宝印泥
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    まとめ

    印泥の豆知識をご紹介いたしました。
    印泥を長くお使いいただくためには日々のお手入れが欠かせません。
    使うたびにしっかり混ぜることと、長期間使わない場合も月に1度は混ぜるようにしてください。
    固くなったり、ゆるくなってベタベタになったりした場合は、さきほどご紹介しました方法をお試しください。

    書遊Onlineでご紹介している『印泥』はこちら»

  • 印矩の使い方

    印矩の使い方

    作品に印を押す位置は、作品を制作する上でとても大切にされている方が多いのではないでしょうか。
    でも大きな作品に印をまっすぐ押すのは難しいですよね。
    印矩(いんく)は押したい位置に印を押すためにとても便利な道具です。 この読み物では、印矩の使い方をご紹介いたします。

    印矩の役割

    印矩を印の押したい位置に合わせて固定し、印を印矩にぴったり沿わせることで、押したい位置に押すことができます。
    ガイドの役割を果たす、印専用の定規のような道具です。
    印矩は、主にTのような形(T型)とLのような形(L型)の2種類があり、二辺を固定することで印の位置が定まります。
    1回押しただけでは薄かったときに複数回押すことがあるかと思います。
    その際にも、印矩があれば同じ位置に同じ角度で押すことができます。

    印矩T型
    印矩L型

    印矩を使った印の押し方

    Step1 印影を作って位置を決める

    作品を書き終え、署名を終えると印を押す段階です。
    最初に『印影(いんえい)』を作ります。
    『印影』とは、別の紙(作品と同じ種類の紙)に印を押し、その印の形に切り抜いたものを指します。
    この『印影』を作品の上に置き、印を押す位置を決めます。

    印影を作って位置を決める

    Step2 印影の位置に合わせて印矩を置く

    印影を動かさないように注意しながら、印矩を印影の形に沿うように置きます。
    印矩を置いたら、印矩の位置はそのまま、印影を外します。

    Step3 印矩を固定して印を押す

    印に印泥をつけます。
    ■ 印泥の使い方はこちら>>

    印に印泥をつける

    印矩が動かないように左手で押さえながら、印矩の90度の角に印の角を合わせるようにして印を押します。
    押したあとも、印矩は動かさないようにしてください。

    印矩を固定して印を押す

    Step4 印矩は動かさず、薄かったら再度同じ位置に押す

    印矩の位置はそのまま、印のつき具合を確認して、薄かったら再度印泥をつけて同じ位置に押しなおします。
    印矩があるので、同じ位置に重ねて押すことができます。

    薄かったら再度同じ位置に押す

    印矩の裏表

    印矩には面取りをしている面と、していない面がある場合があります。
    面取りがしてある方を作品に接するようにして使用してください。
    印を押した際に、印泥が印矩について作品に汚さないようにするためです。

    印矩の形と材質

    主にTのような形(T型)とLのような形(L型)の2種類があり、スライド式のものもあります。
    使いやすい形をお選びください。
    印矩の材質は、黒檀などの木材から真鍮といった金属製のもの、透明のものまであります。
    重いほうが印矩がずれにくくなります。

    まとめ

    印矩の使い方をご紹介いたしました。
    印矩は、押したい位置に印を押すためにとても便利な道具です。
    1回押してみて薄かった場合も、印矩があれば、再度同じ場所に押すことができます。
    印泥の使い方や印泥の豆知識を、別の読み物にてご紹介しておりますので合わせてご覧くださいませ。

    書遊Onlineでご紹介している『印矩』はこちら»

  • 印泥の使い方

    印泥の使い方

    印泥(いんでい)は作品をより引き立たせる大切なアイテム。
    納得のいく印を押せるようになるためには、印泥の正しい使い方を知ることが大切です。

    印泥の使い方

    印泥をご購入後、開封するところから、印に印泥をつけるところまでをご説明いたします。

    Step0 開封

    ご購入時、印泥は平らで固まった状態になっています。
    印泥にビニールがかかっている場合は剥がしてください。
    このままお使いになることも可能ですが、印に印泥をしっかり付着させるためにもヘラで練り混ぜてからご使用されることをお勧めいたします。
    練り混ぜず使ってしまうと、印泥の同じところばかりが減って、使ううちにどんどん印泥がつけにくくなってしまったり、朱と油が分離して印がきれいに押せなくなってしまうためです。
    (混ぜ方はStep1でご説明いたします)

    印泥開封時

    Step1 ヘラで底からしっかり混ぜる

    印泥をヘラでしっかりと混ぜてください。
    (前回使用されてから日数が経過すると、固まった状態になり印面全体に綺麗に印泥が付着できないため、この作業はご使用になる度に必要です。)
    底から持ち上げるように全体的に混ぜるのがポイントです。
    しっかりと撹拌させなければ、同じ箇所ばかり印泥をつけることになり、印泥のつきが悪くなってしまいます。
    また、印泥の原料である朱と油は分離しやすく、よく混ぜてあげないと油分が分離して腐ってしまいますので、しっかり練り混ぜてください。

    印泥を混ぜる

    Step2 団子状にする

    しっかりと練り混ぜたあと、写真のように、丸く団子状にしてください。
    丸い状態にすることで、印泥を印にまんべんなくつけることができます。

    印泥を団子状にする

    Step3 印泥を軽くたたくような感覚でつけていく

    印泥を、印に軽くたたくような感覚でつけていきます。
    ぎゅっと押し付けてしまわないように気を付けてください。
    印泥を動かしても印を動かしてもどちらでも構いません。
    印泥がどのくらいついたか、印の面をたびたび確認しながらつけるのがポイントです。
    つけ過ぎず、少な過ぎず。
    つけ過ぎると、彫ったところに印泥が入り込んで印面の線が潰れてしまいますし、少な過ぎると印が映りません。

    印に印泥をつける

    Step4 印褥台と印矩を使って印を押す

    印に印泥をつけ終わったら、次は印褥台と印矩を使って紙に押します。
    紙の下に印褥台を敷き、印を押したい位置に印矩を合わせてください。

    ■ 印矩の使い方はこちら>>

    印矩を固定して印を押す

    使い終わった印泥は、しまう前にもう一度全体を混ぜ、ふたをし、付属の木箱に入れて保管します。
    印泥は使うたびにしっかり練り混ぜてください。
    長期間放置すると、乾燥して固まってしまったり、油が分離してベタベタになったりしてしまいます。
    長期間使わない場合も、定期的に練り混ぜてください。

    ■ 【印泥の豆知識】「固まってしまった」「ベタベタになった」ときの復活方法はこちら>>

    印泥の色の選び方

    印泥には多様な色合いがあります。
    押す印の種類はもちろんのこと、印の色や場所によって作品の印象は大きく変わります。

    印泥の色

    ■光明(こうみょう)・・・明るい朱色で、優しい印象の仮名・漢字作品向き
    ■箭鏃(せんぞく)・・・鮮やな黄口朱色で、品のある印象の万能作品向き
    ■美麗(びれい)・・・光明よりも濃いめの赤色で、落ち着いた印象の漢字作品向き

    参考として、かな作品向き、漢字作品向きと書いていますが、色の選び方に決まりはありません。
    ご自身の作風に合う色、お好みの色をお選びください。

    印泥の色

    印泥の重さの単位

    印泥のサイズ(容量)は「両」という単位を使い、1両装は30gです。
    書遊Onlineでは、1/5両装(6g)、1/2両装(15g)、2/3両装(20g)、1両装(30g)、2両装(60g)、3両装(90g)、5両装(150g)、10両装(300g)を取り扱っております。
    容器が小さすぎると印泥がつけづらいことがあるので、印の大きさに合わせてお選びください。
    目安としては、2.0cm角の印材なら、1/2両装(15g)で問題なく印泥をつけることができます。

    有害な重金属を一切含まない「七宝印泥」

    「七宝印泥」は有害な重金属を一切含まない有機・無機顔料を用い、昔ながらの製法で作られたオーガニックな印泥です。
    人にも地球にもやさしい、環境に配慮した安心・安全な印泥としてご利用いただけます。
    硬くならず目詰まりしにくい高級もぐさと良質な油を使っているため、印泥がかたくなったり、油分が分離してしまったり、というトラブルが少ないのが特徴です。
    また、使用時にほのかに香る白檀の香りが心を整えます。

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    まとめ

    印泥の使い方をご紹介いたしました。
    印泥は、底からしっかり練り混ぜて団子状に丸めてからお使いください。
    印に印泥をつける際は、ぎゅっと押し付けず、軽くたたくようにつけるのがポイントです。
    印矩を使って押す方法や印泥の豆知識を別の読み物にてご紹介しておりますので、合わせてご覧くださいませ。

    書遊Onlineでご紹介している『印泥』はこちら»

  • 掛軸をかける

    掛軸をかける

    大切な掛軸やお気に入りの掛軸は、季節や好みで飾って楽しみたいものです。
    丁寧にゆっくりと扱えば、難しくありません。作品をより大切に飾って長く楽しみましょう。
    ここでは紐のほどき方から掛軸のかけ方までをご紹介します。

    紐のほどき方

    ①まず巻緒の端を引っ張り、紐の結びをゆっくりとほどいていきましょう。
    片手に掛軸を乗せ、もう片手で紐を手前に引きます。掛軸は回さずに巻緒の端を動かして紐をほどきます。


    ③巻緒は掛軸の裏面に垂らし、床の間の下座方向に移動させます。
    (床の間の位置はご家庭によって異なりますので、床柱のある方が下座になります。)

    ④巻緒をほどいたら平らなところに掛軸を置きます。風帯がある場合は、風帯の折れを直しましょう。

    掛軸をかける

    掛軸をかける前に、高さの位置を決めることが大切です。
    掛軸というのは本来座って鑑賞しますので、座った時に掛軸を少し見上げるくらいが適度な高さです。
    掛軸の高さを調節したい時は「自在(じざい)」という道具を使います。先に金具に自在をかけて好みの位置に調節し、高さを決めてから、掛軸をかけます。
    高さの調整が必要な場合は掛軸をかける前に自在を使って高さを調整しましょう。

    ⑤右手に矢筈(やはず)を持ち、左手は掛軸の中央あたりで下から添えるようにして軽く持ちます。矢筈を掛軸にかけたらそのまま上にゆっくりと持ち上げ、掛緒を金具に引っ掛けます。

    ⑥右手の矢筈(やはず)を置き、両手で軸先を持ち、ゆっくりと下へおろします。
    座って鑑賞するときに、少し見上げるくらいがちょうどいい高さの目安です。

  • 掛軸を大切にしまう

    掛軸を大切にしまう

    掛軸を大切にしまうために

    次に飾るときまで大切に保管し、長く愛用するにはどんな風にしまえばいいか悩むことも多いのではないでしょうか。
    日本の暮らしに寄り添い、掛軸を大切にしまう方法をご紹介します。

    掛軸をおろす

    ①掛軸の近くに矢筈(やはず)を置き、まず掛軸の両端を両手で持ち、下からゆっくりと大きく巻き上げていきます。一文字近くまで巻き上げたら手を止めましょう。左手をそっと添えて掛け軸を支えます。右手に矢筈を持ち、矢筈の先端を使って紐を持ち上げて、掛軸をゆっくり外しましょう。

    たたんで巻く

    ②風帯がある掛軸の場合は下図のように右の風帯を上へ置き、左の風帯から順に折り目に沿ってたたみます。左右の風帯がたためたら巻き上げます。

    ②巻紙の端を巻緒に通し、2~3㎝挟みます。

    ③巻紙の反対側の端を一周させて掛緒にくぐらせます。くぐらせたら広がらないよう手で押さえておきましょう。

    結ぶ

    ④巻緒を手前にもってきます。

    ⑤巻緒を締め付けすぎないように3回巻き付けます。(掛軸は回転させないようにします。)

    ⑥巻緒を親指で掛緒にくぐらせます。

    ⑦巻緒を10㎝くらい引き上げます。

    ⑧ひねらないように気を付けながら、右側の掛緒にくぐらせます。

    ⑨左右の長さを調節します。

    桐箱にしまう

    ⑩湿気から守るため、掛軸全体を薄い和紙で包みます。和紙をたたんで桐箱の底に敷いても構いません。

    ②桐箱に表具用の防虫香を入れます。

    ③掛軸の向きを確認して、桐箱に掛軸を収めましょう。

    掛軸の向き

    桐箱の端の枕には向きがあります。幅が広いほうに八双がくるように収納してください。

    フタの向き

    桐箱のフタにも向きがあります。
    微妙な段差や木目など、向きを確認して無理な力を与えないようゆっくり閉めましょう。

    ④最後はタトウに入れて完成です。湿気の少ない暗所に保管してください。

    最低でも年に1回か2回は、天気の良い日に虫干しをしましょう。掛軸を虫食いやカビから守ります。

     
  • 掛軸に関する道具

    掛軸に関する道具

    掛軸をかけて飾ったり、外して保管するときなど、掛軸を扱う場面で色々な道具が存在します。
    「どんな風に使うものなのか」「どんなことをすればいいのか」掛軸にまつわるあれこれについてご紹介します。
    大切に仕立てた掛軸も丁寧に扱い、長く愉しみましょう。

     

    矢筈[やはず]

    掛軸を高い位置に掛けるための道具です。
    羽根付など色々なタイプがあります。

    風鎮[ふうちん]

    軸先に吊り下げて楽しむ装飾品です。元々は掛軸が風で揺れ動くことを鎮めるものでした。
    常に軸先に掛けたままでは風鎮の重みで掛軸を傷めてしまいますので、掛軸の掛け始めに限ってお使いいただくことをお薦めします。
    素材は陶器・石・金具など様々です。

    自在[じざい]

    掛軸の高さを調節するのに便利な道具です。
    金属や木製のものがあります。

    防虫香[ぼうちゅうこう]

    桐箱に掛軸を保管するときは、「表具用」の防虫香をお使いください。
    樟脳やナフタリンは掛軸を傷める原因になります。

    虫干し[むしぼし]

    桐箱に保管している掛軸は1年に1回か2回程度、春秋の晴天の日に日陰で陰干しすることで湿気をとり、虫食いやカビから防ぐ効果があります。

     
  • 筆の洗い方・お手入れ

    筆の洗い方・お手入れ

    書の道具のお手入れはとっても大切です。
    日々のお手入れ次第で良い筆もすぐにダメになってしまいます。
    きちんとしたお手入れ方法をご紹介しますので、初めての方はもちろん、経験されている方でも改めて確認してみてください。

    筆の洗い方

    書道筆には毛質・大きさ・太さなど、用途ごとにいろんな筆があります。
    その中でも基本となる太筆と細筆のお手入れ方法についてご紹介します。
    新しい筆のおろし方については、別に紹介しておりますのでそちらをご覧ください。

    太筆の洗い方

    ①毛の根元部分をもみほぐすようにぬるま湯でしっかり洗います。
    流水でも溜め水でもどちらでも構いませんが、30~40℃前後のお湯で洗うようにしましょう。

    筆の毛というのは、見えていませんが毛の差し込み部分の奥まで入り込んでいます。
    見えていない部分に入り込んだ墨を取り除くことができれば、毛が傷まず、毛が腐ったり抜けたり、筆が割れる現象が起こりにくくなります。
    とはいうものの、差し込み部分の中までは直接洗うことはできませんから、
    毛の根元部分を重点的にもみほぐすような感じで、触ってみればコリのようなものがあると思いますので、一見墨が落ちてないように思うかもしれませんが、何度も何度も洗うことがとても大切です。

    洗っても洗っても墨が出てくるものですが、できるだけ粘り強く墨を取り除くように洗ってください。

    ②洗い終えた筆は、やさしく毛をしぼるような感じで水分を取り除きましょう。

    ③指で穂先をきれいに整えます。また、筆櫛を利用して、傷んだ毛を整えることで乾燥後に筆が綺麗になります。

    ④洗い終えた筆は筆吊りなどに吊るして自然乾燥させましょう。
    筆が乾ききらないうちに再び使ってしまうと毛の差し込み部分が常に湿った状態になり、毛が腐る原因になってしまいます。毛が腐ってしまうと、抜け毛や切れ毛ができやすくなり、穂先ごと抜けてしまったり割れてしまいますので注意しましょう。

    細筆の洗い方

    細筆はもともと糊で固められた「固め筆」の状態で販売されています。
    細筆は毛の3分の1程度をおろして使いますから、使い終わっても洗う必要はありません。
    洗わない方法でお手入れを行いましょう。

    ①いらなくなった半紙やティッシュペーパーなど、水分をよく吸い取る紙を用意します。

    ②用意した紙に水を数滴たらします。

    ③穂先部分だけを②の上で寝かせるようにして墨を拭き取ります。
    筆を寝かせて穂先を整えるような感じで回転させながら、ゆっくり丁寧に墨を拭き取ることが大切です。
    おろした部分と固めたままの境目部分に墨がたまりやすいのですが、固めてある部分がほぐれてしまわないように慎重に拭き取りましょう。墨が薄くなってきたら終わりです。

    ④指で穂先をきれいに整えます。

    ⑤洗い終えた筆は筆吊りなどに吊るして自然乾燥させましょう。

    お手入れ中に細筆がさばけてしまったら・・

    細筆は何度も何度も繰り返しお手入れをしている間に毛の根元部分までさばけてしまうことがあります。
    そうなると、穂先だけを使って書く小さな文字や細い文字が書きにくくなります。
    その時はそのまま毛の全体を洗ってしまい、他の用途でお使いいただくか、「筆固め糊」でもう一度糊固めをし直してからお使いいただくとよいでしょう。

    筆を扱うときの注意点

    • 使用後の筆や洗い終わった筆にはキャップをしないでください。毛が腐ってしまいます。
    • 筆を洗うときには、洗剤などは使用しないようにしてください。
    • 筆はできる限りやさしく洗うようにしてください。
    • 洗い終えた筆は、十分乾燥させてからお使いください。

    筆は休ませながらお使いいただくことが一番です。
    長くお使いいただくためにも、お気に入りの筆は2~3本ご用意いただき、順に使うことが筆を長持ちさせる秘訣です。
    きちんとしたお手入れをして、お気に入りの筆を大切に使い続けたいものですね。

  • 墨の継ぎ方

    墨の継ぎ方

    固型墨を日々磨り続けていると、だんだん小さく減っていき、手で握るのも難しくなってきます。
    短くなった墨は、「墨ばさみを使って磨る方法」と「墨と墨を継いで磨る方法」があります。
    職人さんが一丁一丁丁寧に手造りされてできた墨。小さくなってしまった墨も最後まで大切に使いきりたいものです。
    それでは意外と簡単にできるおすすめの「墨の継ぎ方」をご紹介します。
    小さくなった墨や折れてしまった墨でお困りの方はぜひ、この方法を試してみてください。
     

    墨は墨で継ぐ

    接着剤も市販されていますが、墨以外の成分で墨を継ぐのはちょっと心配になりますよね。
    墨の接着は接着剤を使わなくてもできるんです。
    墨は「膠(にかわ)」と「煤(すす)」と「香料(こうりょう)」からできています。
    この中の原材料のひとつである「膠(にかわ)」が、墨を固めるための接着剤の役割りを果たしています。
    そのため、濃く濃くネバネバになるまで磨った墨を継ぎたい墨同士に塗ることで、墨の品質や墨色を変えることなく安心して墨継を行うことができます。
     

    継ぎ方

    ①小さくなった墨を用意します。
    接着する接着面には、事前にぬるま湯に3分~5分程度浸けておくと良いでしょう。

    ②継ぎたい墨を両方とも墨の磨り口が平になるまで磨ります。
    折れてしまった墨の場合も同じですが、凸凹した面を平にするにはちょっと根気がいりますね。

    ③接着剤の役割となる濃い墨を作ります。
    ②で磨った墨を少量用意し、さらに継ぎたい墨で超高濃度の墨液を作ります。
    ここで磨る墨の濃度が接着力を左右しますので、墨はできる限り濃く、ドロドロからネバネバになるまで磨ってください。
    〈磨り始め〉

    〈ネバネバ状態〉

    ④ネバネバになるまで磨った墨を、②で平らにしておいた墨の磨り口に浸けます。
    あまりつけ過ぎる必要はありませんが、磨り口にまんべんなくつけましょう。

    ⑤接着面同士を合わせて、接着します。
    ズレないように注意し、両手でギューっと圧力をかけて、ふたつの墨を圧着します。
    できれば1分程度圧力をかけてください。
    接着部分の墨は乾くとやや縮まりますので、ここでは接着部分から墨がはみ出していても構いません。
    圧着した後、接着した周囲に接着に使ったドロドロの墨を筆や指で塗ります。

    ⑥接着部分が十分に乾くまで、自然乾燥させます。
    小さいものでも、芯のほうまで乾かすためには数日かかりますので、3日間は乾かしましょう。

    これで墨継ぎの完成です。

    お手元の小さくなった墨をどんどんくっつけていただき、ぜひ最後まで大切にお使いください。

     

    墨専用の接着剤を使う

    忙しくて時間がないときには、墨専用の接着剤を使って墨を継ぐのも一つです。
    手軽にできる墨専用の接着剤も販売していますので、必要に応じてお選びください。

  • 墨の磨り方

    墨の磨り方

    実は間違ってた?書道のプロが教える、本当の墨の磨り方

    書道を嗜む皆さん、「墨を磨る」という行為、どう感じていますか?
    「時間がかかって面倒くさい」「手が汚れるし、結局は市販の墨液で十分」…そう感じて、最近は固形墨から遠ざかっている方も多いのではないでしょうか。

    もし、その「面倒くささ」が、実はあなたの「墨の磨り方」が間違っているせいだとしたら?
    この記事では、多くの人が知らない、あるいは誤解している墨の磨り方の常識を覆します。
    たった5分で、驚くほど質の高い、自分好みの墨液を自在に作れるようになる「目からウロコの秘訣」をご紹介します。
    これを読めば、墨を磨る時間が、面倒な準備作業から創造的な楽しいひとときに変わるはずです。

    一般的な「あの方法」はなぜダメなのか?

    おそらく多くの人が、学校の書道の授業などでこう習ったのではないでしょうか。
    まず、硯のくぼんだ部分(海)に水をたっぷり入れ、そこから平らな部分(丘)に少しずつ水を移して墨を磨り、濃くなったらまた海に戻す。そしてまた丘に水を上げて…という繰り返し。
    一見、理にかなっているように思えるこの方法ですが、実は非常に非効率的です。
    専門的な視点から見ると、この方法には主に3つの大きな問題点があります。

    • 時間がかかりすぎる 硯の海にある全体の水を、均一な濃さにするには、途方もない時間がかかってしまいます。非常に効率が悪い方法と言わざるを得ません。
    • 「面倒くさい」という気持ちになりやすい 時間がかかるということは、それだけ手間もかかるということです。結果として、「墨を磨るのは面倒だ」というネガティブな感情が生まれ、書道そのものから足が遠のく原因にもなりかねません。
    • 墨が持つ本来の良さを引き出せない このやり方では、墨が持つ本来の美しい発色や伸び、香りのようなポテンシャルを最大限に引き出すことができません。せっかくの良い墨も、これでは宝の持ち腐れです。

    つまり、この方法は水を主体に考えすぎているため、肝心の墨の粒子を効率よく水中に分散させることができないのです。
    本記事で、「本当の墨の磨り方」をご紹介しますので、ぜひご参考ください。

    新常識!正しい墨の磨り方

    ①水は「500円玉大」から始める。
    では、正しい方法とは一体どのようなものでしょうか。ここからが本題です。
    まず、硯の丘(墨を磨る平らな部分)に水を垂らします。この時の水の量が、最も重要な「ミソ」です。硯の海が満たされるほどの水は全く必要ありません。必要なのは、500円玉くらいの大きさのごく少量の水だけです。
    そう、たったこれだけでいいのです。このごく少量の水から始めることが、短時間で濃厚な墨を作るための最大の秘訣です。

    ②ネバネバになるまで約5分、ひたすら濃く磨る。
    500円玉大の水を垂らしたら、あとはひたすら磨っていきます。ここでの目標は、墨がネバネバの状態になるまで、とにかく濃く、濃く磨り続けることです。
    水の量が少ないため、驚くほど短時間で墨は濃くなっていきます。この作業にかかる時間は、わずか5分程度。今まで何十分もかかっていたのが嘘のように感じるはずです。
    ちなみに、磨り方について「『の』の字に磨るのが良い」「いや、縦に磨るべきだ」など様々な説がありますが、どちらの方法でも全く問題ありません。ご自身がやりやすい方法で、とにかく濃くすることに集中してください。

    ③墨の香りが「フワッ」としたら完成のサイン。
    「ネバネバになるまで」と言われても、どのタイミングで止めればいいのか分かりにくいですよね。実は、その完璧なタイミングを、墨自身が教えてくれるサインがあります。それは「香り」です。
    無心で墨を磨り続けていると、ある瞬間、墨に含まれている香料の香りが「フワッ」と立ち上ってくるのを感じる時が来ます。これこそが、墨が「もう十分だよ」と私たちに語りかけてくれているサインなのです。
    道具と対話し、五感で完成を感じ取る。これこそが、墨を磨る行為の醍醐味の一つと言えるでしょう。

    ④発想を逆転させる。「濃縮液」を作ってから薄める
    さて、香りのサインを受け取り、丘の上には「超超超濃墨」とも言える、粘度の高い墨の原液が完成しました。もちろん、このままでは濃すぎて文字は書けません。
    ここから、硯の海に少しずつ水を加え、この濃縮された墨を溶きながら、自分の書きたい作品に合わせた好みの濃度に調整していきます。

    この方法の核心は、発想の逆転にあります。
    「最初からだんだん濃くしていく、という方法ではありません。最初に、とにかく濃い、超濃厚の墨の原液を作ってしまう。そこから水で薄めて、好みの墨液を作る。全くの逆の方法ですね。これが、正しい墨の磨り方なんです。」
    つまり、「薄い状態から少しずつ濃くしていく」のではなく、「最初に極限まで濃い原液を作り、そこから水で薄めて調整する」のが正解なのです。絵の具を水で溶くのと同じで、まず「原液」ありき、と考えるのがコツです。


    ただし、水を加える際は注意が必要です。一気にたくさんの水を入れてしまうと、せっかく作った濃墨が一気に薄くなりすぎてしまいます。少しずつ、慎重に水を加えながら、最適な濃度を探っていきましょう。

     

    ⑤磨り終えた墨は磨り口の水分を布や紙などで丁寧に拭き取り、手入れしてからきちんと桐箱に入れて保管しましょう。

    墨を磨る「本当の楽しさ」を再発見しよう

    今回ご紹介した方法は、これまでの常識とは全く逆のアプローチだったかもしれません。しかし、この方法を一度試していただければ、その効率の良さと仕上がりの質の高さに驚くはずです。
    この手順さえ守れば、もう墨磨りに時間や労力をかける必要はありません。淡墨から濃墨まで、自分の表現に合わせた墨色を、短時間で自由自在に作り出すことができます。
    「墨を磨る」という行為は、単なる書くための準備作業ではありません。自分の作品に最適な墨を作り出す、創造的なプロセスそのものです。
    今まで面倒だと思っていた墨磨り、少し試してみたくなりませんか?この方法なら、墨を磨る時間そのものが、作品作りの一部として心から楽しめるはずです。ぜひ、墨との対話を楽しんでみてください。

    墨の動かし方

    墨を磨る方法としては、大きく分けて2種類あります。

    A:「の」を描くように円を描くような感じで磨る方法

    円を描くように磨るこの方法は、自然に力が抜けるといわれる反面、硯に墨カスが溜まりやすいと言われます。

    B:「N」を描くように直線的な感じで磨る方法

    直線的に磨る方法は、力が入りやすくなる反面、硯に墨のカスが溜まりにくいと言われています。

    直線的に磨る方が墨の真色を出すといわれることもありますが、どちらが正しいとは言えません。
    ご自身の動かしやすい方で磨ることが大切です。

    墨の持ち方

    墨を硯にあてる角度はどの角度が良いのか、実際のところはどうなのか疑問に持つ方もおられるのではないでしょうか。
    墨の持ち方も大きく分けて2種類あります。硯との接地角度が垂直の場合と斜めの場合です。

    時間がないから早く墨を磨りたいという場合には、墨と硯との接地面積を広くすることが重要になってきます。磨り口が大きくなれば、結果早く磨れることに繋がるのです。

    A:墨を真っすぐ立てる持ち方

    墨を硯面に対して垂直に接地させて立て、磨り口を平にする方法です。
    磨り口の大きさはずっと同じままですが、磨り始めの硯との接地面積はBと比べて大きいです。

    〈磨り口を平らにする〉

    B:墨を斜めにする持ち方

    墨を硯面に対して斜めに接地させる持ち方です。表裏を交互に磨ることにより、磨り口をV字型にする方法と片側だけを磨り磨り口を鋭角にする方法があります。磨り始めの硯との接地面積は小さいですが、磨ることで徐々に広がっていき鋭角になると最も面積は大きくなります。

    〈磨り口をV字型にする〉

     

    〈磨り口を鋭角にする〉

    墨の持ち方を3つご紹介しましたが、この中のどの方法を選んでいただいても構いません。
    墨の持ち方によって墨色が変わるということはほとんど考えられませんが、

    ご自身が磨りやすい方法を選んで、上手に磨ることが大切です。

    墨を早く磨る方法

    忙しい現代人としては、墨が早く磨れるにこしたことはないでしょう。
    では、墨を早く磨るにはどうすれば良いのでしょうか…?その答えはいたってシンプル。

    墨と硯の接地面積を広くすることです。最も墨を早く磨るという点では、墨の持ち方B(墨を斜めに持ち片側だけを鋭角に磨る方法)がおすすめです。完全な斜めになるまで時間は掛かるかもしれませんが、硯との接地面積が広くなれば、結果早く磨れることになります。

    大きな硯に墨を2~3本重ね合わせて磨れば、硯との接地面積が広くなり早く磨ることができる方法もありますが、あまり現実的ではありません。

    時間がない場合には、墨を磨ってくれる「墨磨り機」を使う方法もおすすめです。
    大作を書くためにたくさんの墨が必要なんていう場合にも墨磨り機をお使いいただけます。

  • 筆のおろし方

    筆のおろし方

    書の道具のお手入れはとっても大切です。
    お手入れ次第で良い筆もすぐにダメになってしまいます。
    筆を大切に使う手始めについてご紹介します。
    買ったばかりの筆は最初からさばいてある筆もありますが、糊で固めてある筆がほとんどです。
    さばいてある筆はそのまま使えますが、固め筆はまず筆に付いてある糊を取らないと墨が毛にのりません。従って、筆を十分に使いこなす事ができません。

    わかりやすいお手入れ方法をご紹介いたしますので、目的に応じておろし方をお選びください。

    穂全部をおろす

    条幅や大きな作品を書くときは、筆に墨を多く含ませて書きます。また、羊毛など毛質の柔らかい筆で書くときは穂全体を使って繊細に表現します。こういった場合、穂全体を使う必要があるため全部おろして使います。太筆は穂全部をおろすのが一般的です。

    おろす部分

    穂の根本から穂先まで全部

    おろし方

    ①ぬるま湯を用意し、筆先をつけます。

    ②穂先から根本へ順に指で丁寧にほぐします。

    ③ぬるま湯が濁ってきます。筆の中(筆管)の糊も十分に取り、紙や布で水分を拭き取ります。(抜け落ちる細かい毛は取り除いてください。)

    穂先だけをおろす

    写経・かな文字・名前書きなどの細字用の筆は穂先だけを使います。
    そのため全部おろさずに、穂先だけをおろします。
    穂先をどのくらいおろすかで、文字の太さや書き方が変わります。
    穂先の利きをより活かすため、剛毛などの毛のかたい太筆でも
    敢えて穂先だけを使う場合もあります。
    ご自身の目的に合う長さに調節してください。

    おろす部分

    穂先の3分の1程度まで

    おろし方

    筆の種類により、細筆・かな筆・太筆それぞれのおろし方をご覧ください。

    ①ぬるま湯を用意し、筆先の3分の1程度をつけます。
     ご自身でどのような字を書きたいのかを思い描いてから、おろす長さを決めるとよいでしょう。

    〈細筆の場合〉

    〈かな筆の場合〉

    〈太筆の場合〉

    ②おろさない部分を残し、穂先から指で丁寧にほぐします。水につける必要はありません。そのまま穂先1/4程度、巻き毛タイプ(穂先の色がついた部分と化粧毛(飾り毛)はおろし過ぎると化粧毛がばさつきます。

    〈細筆の場合〉

    〈かな筆の場合〉

    〈太筆の場合〉

    ③糊を十分に取り、保護紙や布で筆を回転させながら水分を拭き取ります。(抜け落ちる細かい毛は取り除いてください。)

    〈細筆の場合〉

    〈かな筆の場合〉

    〈太筆の場合〉

    固め筆を濡らさない状態のまま無理におろすと、毛が切れてしまうことがありますのでおやめください。

    捌き筆(さばきふで)の場合

    穂全体をのりで固めない状態の筆で、散毛筆とも呼びます。
    この場合はそのまますぐに使うこともできますが、もし気になるようでしたら
    軽く水ですすいでから使用してもよいでしょう。

    仕上げとして流水で洗った後、不要な毛を筆櫛で整え、その筆は、十分に乾いた後に利用するのが最良です。筆をおろした直後は乾燥させてから利用しましょう。キャップは密封された状態になりますので、先を切る事で通気性がよくなります。

    筆のおろし方は基本的なことになりますが、書道におけるすべてに繋がってくることだと言えるのではないでしょうか。
    丁寧に使い始め、一本一本を大事に長く使い続けたいものです。


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  • 裏打ち方法と専用用紙のご紹介!

    裏打ち方法と専用用紙のご紹介!

     アイロンと霧吹きだけで簡単に裏打ちができる裏打ち専用用紙が入荷しました。 裏打ちは作品のしわやたるみを防いで補強してくれる効果があります。 上手く書けたけど、そのままになっている作品はありませんか? 上手く出来た作品は裏打ちしておけば、思い立ったときすぐに飾ることができます。 今回は裏打ち用紙の使い方をご紹介しますので、ぜひ一度お試しください。

    準備するもの

    • 裏打ち用紙(額装には厚口・軸装には薄口がおすすめです)
    • アイロン
    • 霧吹き
    • カッターナイフ
    • 霧吹き、アイロンする際の下敷き

    1.作品をのばします 作品を裏に返し、全体にムラが出来ないように霧吹きをします。 しわが生じない程度まで乾燥させます(10~15分)。
    2.裏打ち専用用紙を張り合わせます 作品は裏返したまま、アイロン台に移動させます。 作品と同サイズか少し大きめの裏打ち専用紙を準備し、光沢のある「裏面」を作品の裏面に重ねます。

    3.アイロンをかけます 中~高(約130度)に温めたテフロン加工のアイロンを使用します。 ズレたり空気が入ったりしないように、用紙の中心から右、中心から左へ均一にムラなく抑えます。 一度かけたら、カケむらを防ぐためもう一度かけましょう。 かけ終わったら、温度が下がるまで約5分ほどそのまま待ちます。

    4.仕上げ 余分な部分をカッターナイフで裁断します。 展示する場合は掛け軸や額などに入れれば出来上がり! ※霧吹きしたあと乾燥が足りないと破損、接着不良。乾燥させすぎるとしわの原因になるので注意してください。 ※接着後、曲がりや反りが生じた場合は本などで重しをしてください。3時間ほどで水分が一定になりきれいに仕上がります。

     

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