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  • 因州和紙の魅力

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    書道紙の全国シェア約50%を占める因州和紙

    因州和紙は、書道紙の中で全国トップクラスの生産量を誇る鳥取県東部(旧因幡国)特産の和紙です。
    書道や書画・水墨画に用いる画仙紙の生産量は日本一となる全国の約50%を占め、書画に適した風合いの良い画仙紙として利用されています。

    中でも三椏(みつまた)を主原料とした因州画仙紙は、 きめが細かく、筆運びが滑らかなことから「いくら書いても筆が傷みにくい」や「墨がかすれることなく長く書ける」という意味で 「因州筆切れず」といわれ、特に仮名書作品用として重宝される高品質の書道用紙として数多くの書道ユーザーに親しまれています。
    また、和紙としては日本で初めて経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されています。

    書道紙に向いた天然繊維を活かし、優れた特徴を持つ因州和紙

    因州和紙の特徴は、天然繊維の特徴を活かした温かみとしなやかさです。
    酸化しにくい因州和紙は自然な強さを持つことから実用性に優れ、「他の和紙で一枚書くうち二枚書け、滑らかで早く筆がすすむから墨も減らない」と言われています。

    手間をかけてつくる最高品質の紙

    因州和紙は楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などの靱皮繊維を原料とし、これらの長い繊維を均一に絡み合わせ、一枚一枚を漉きあげて乾燥する伝統的な製法で作られます。
    非常に手間の掛かる製法ですが、熟練の職人による長年培われた技術と経験から、最高品質の紙が作られています。

    因州和紙の制作工程

    因州和紙は、原料づくりから始まります。

    1. 原料作り
      作りたい和紙によって原料を選び、柔らかくして煮やすくするために水に浸しておきます。
    2. 煮る
      不純物を取り除く工程で、和紙に必要な繊維素だけを取り出します。
    3. 水洗い、晒し
      繊維素だけを残すため、清流にさらし不純物を取り除きます。
    4. 叩解
      結束した繊維を機械で叩き解します。繊維をほぐすことで、紙漉き時に原料の特徴を引き出すことが出来ます。
    5. 紙漉き
      漉舟に水をはり紙料を入れて汲み上げます。紙全体が均一な厚みになるように漉きます。
    6. 脱水
      漉いた紙の形を崩さないように、十分に水分を取り除きます。
    7. 乾燥
      脱水した紙を一枚づつ干板に張り付けて乾燥させます。
    8. 裁断
      包丁と切り板と定規のセットで行う伝統的な「手裁ち」や、機械で裁断を行います。

    因州和紙の原料について

    因州和紙の主な原料は、楮(こうぞ)・雁皮(がんぴ)・三椏(みつまた)の3種の中から目的の和紙に適した原料を選択し、紙漉きが行われます。
    江戸時代には因州和紙の原材料である楮と雁皮は重要な原料として、亀井侯文書に「切ってはならない木」と記され、これらの原料と品質を高める綺麗な清流に恵まれ、紙漉きの技術が発達しました。

    因州和紙の歴史と伝統

    因幡国での和紙生産の歴史は古く、8世紀前半(奈良時代)のものが確認されており、これは日本で最古期のものとして奈良の正倉院に保存されています。
    江戸時代には鳥取藩に上納する藩の御用紙(ごようし)や、庶民が使う紙として盛んに生産され、また藩の輸出品となり、保護策がとられています。
    因州和紙が現在のように全国的な知名度を確立したのは、第二次世界大戦後のことで、西洋紙の普及にともなって全国的に和紙の生産が急速に衰退する中、新しいタイプの和紙を生産し続けた結果、全国的なシェアを獲得するに至りました。

    伝統工芸としての因州和紙

    因州和紙は和紙としては日本で初めて経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されました。
    伝統的工芸品の指定にあたっては、

    • 製造過程の主要部分が手作りであること
    • 伝統的技術・技法によって製造されること
    • 伝統的に使用されてきた原材料であること

    などの要件規定が定められ、「手すき和紙」の伝統技術を継承する因州和紙は、この要件を満たしていると認定され、1975年(昭和50年)に全国の和紙の産地の中で一番早く「伝統的工芸品」の指定を受けました。
    現在でも6名の伝統工芸士が、因州和紙の製造技術の伝承と向上にあたっています。

    音風景百選に選ばれた因州和紙

    因州和紙の紙漉きの際、静かな山中で清らかな水に溶かした楮や三椏の繊維を簀桁を揺らせて紙を漉き上げる「ちゃっぽん、ちゃっぽん」という音が、伝統的な風物詩として評価されています。
    音環境を保全する上で特に意義があると認められた因州和紙の紙漉きは、1996年(平成8年)に環境庁(現在は環境省)による「残したい”日本の音風景100選”」として、伝統的な地場産業の音、生活との関わりの深い音と評価されています。

    原料にこだわった因州の機械漉き

    因州和紙は全ての和紙が手漉きというわけではなく、機械漉きの紙も漉かれています。
    機械漉きと聞くと、常に均一な商品が製造できるように聞こえますが、均一の紙を漉くことは非常に難しく、日々変化する気候や素材の個体差の見極めによって、職人の経験と技術と勘で機械の温度や速度を巧みに操りながら、因州の機械漉き和紙が作られています。
    「手漉きに劣らぬ品質と風合いの紙」は、日々研究が行われ、着実に技術が磨かれ続けています。

    安価で高品質な紙への挑戦

    習字や書道の練習は、繰り返し繰り返しの反復練習の練習量が非常に重要なことから、消費者が買い求めやすい価格に抑えた製品を作ることも重要な使命です。
    様々な効率化を図り、製造コストを極限まで抑える努力が日々行われ、高品質でありながら低価格の製品が製造されています。

    書遊Onlineで人気の因州和紙のご紹介

    因州和紙の中でも、書遊Onlineで特に人気がある商品をご紹介いたします。
    どれも納得のいく紙ばかりです、是非一度お試しくださいませ。

    極品玉蘭箋

    春蘭箋

    蘭渓半紙

    楮紙

    唐紙

    白鶴

    学生白鳳

    因州画仙 飛鳥

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