今回は、篆刻の基礎知識と準備を踏まえた作業工程をご紹介させていただきます。
なお、篆刻をする為に必要な道具を前回の記事でご紹介させていただきました。コチラも併せてご拝読ください。
選文(せんぶん)
早速ですが、彫る文句を決める必要がありますが、これを選文と言います。
選文ですが、古い時代の文字である篆書体を篆刻辞典で調べます。これを検字・または校字と言います。
篆書体は、殷の時代の甲骨文(漢字の最古の形)から始まり、金文を元に秦の時代に公式書体となる小篆、更に小篆を元に印章として利用された印篆等、時代毎に変化してきました。
印稿(いんこう)
印稿とは、印面に文字をどのように入れるかを考える事です。また、印面に押した場合の見せ方としては2種類ありますので、文字の複雑さや、大きさなどでどちらを選択するか、印面に彫るイメージを想像してみましょう。
白文(はくぶん)
文字を彫り、白抜きで表れる彫り方。主に姓名印に利用される。
朱文(しゅぶん)
文字の周りを彫ることで、文字が残る彫り方。主に雅号印に利用される。
布字(ふじ)
印面に対して文字を転写する事を布字と言います。これは鏡像としなければならない事にご注意ください。
転写の一例としまして、マジックインキ転写法をご紹介いたします。※トナー式コピー機のみ可能
- A4コピー用紙に印稿を書いてコピーする
- 印面に朱墨を入れてコピーした印稿用紙を当て、その上からマジックで擦る
- 印稿用紙をはがすと文字が転写されている
布字前の注意事項
印面の凹凸がないように中600番で整えましょう。水を垂らして、ゆびのはらで根本をもって磨ります。
なお、印面を過度に滑らかにする必要はありません。
使用した道具は以下となります。
印床:木製カリン ネジ式 【日本製】※動画では大を使用(現在廃番)
水ペーパー:#600(N) 1枚