「篆刻に興味があるけど、どんな道具がいるの?」「初心者がまず揃えておくべき道具は?」
これから篆刻を始めたい方に向けて、篆刻に必要な道具について解説します。
たくさん道具を揃えないといけない…と思われるかもしれませんが、一度ご用意いただければ長く使えるものばかりです。
紹介する道具は書遊Onlineでお買い求めいただけますので、あわせてご覧いただけますと幸いです。
印材(いんざい)
篆刻印材には、石、木材、竹根(ちっこん)、象牙、水晶が使われます。
石を使うことが多く、石はそのほとんどを中国から輸入しています。
石は種類もサイズも豊富です。
主な石としては、寿山平頭石(じゅさんへいとうせき)、青田青白章石(せいでんせいはくしょうせき)、昌化石(しょうかせき)、巴林石(ぱりんせき)があり、これらは四大印材と呼ばれています。
彫りやすさが異なりますので、いろいろな種類の石を試してみて、自分に合ったものを見つけてください。
初心者の方は、2.3cm角や2.5cm角、3.0cm角(一寸サイズ)がおすすめです。
印刀(いんとう)
別名「鉄筆」と呼ばれ、印を彫るときに使います。
刃の角を使って石を彫っていきます。
印刀には、中鋒(両刃)と片鋒(片刃)があり、石を彫るときは中鋒(両刃)を使います。
柔らかい石には厚刃、硬い石には薄刃が適しています。
印刀のサイズは彫る石のサイズによって変えますが、初心者の方には幅6mm程度のものがおすすめです。
墨、朱墨
墨は印稿作成時に使います。
印稿とは印を彫る際の元になる原稿のことです。彫りたい文字を紙に書きます。
墨液も使えないことはないのですが、固形墨を磨って使うほうが、よりきれいに作ることができます。
朱墨は、布字(ふじ)をするときに使います。
朱墨も固形墨がおすすめです。
手にとったとき重いものを選ぶとよいでしょう。
布字(ふじ)とは、印面に筆で文字を書き込むこと。
昨今では、“印面に文字を転写する行為”も意味するようになりました。
小筆
小筆を2本用意します。
墨用と朱墨用です。
小さい印面に細かい字を書きますので、穂先がよく利くものが適しています。
硯
墨用と朱墨用の2つ用意してもかまいませんが、2つ合わさったコンパクトな二面硯がおすすめです。
印泥(いんでい)
押印(印を作品に押すこと)するときに使います。
作風やご自身の好みに合わせて色をお選びください。
印床(いんしょう)
印を固定する台です。
印を手で持って彫るのは大変ですが、印床に印を挟んで固定すれば安全に彫ることができます。
印床には、「ねじ式」と「くさび式」があります。
「ねじ式」はねじで締めるので、誰でも簡単に使用することができます。
「くさび式」は木槌で締めるので、彫り終わるまで緩んだりすることがありませんし、壊れることがありません。
彫りたい印材の大きさによって対応する印床のサイズが変わりますので、確認してお選びください。
水ペーパー
印材に入っている傷を消したり、印面を平らに整えたりする際に使う紙やすりです。
水をつけてこすります。
印材の質感にもよりますが、目が粗いもの、中くらいのもの、細かいもの、の3種類が基本的となります。
現在の販売されている印材では、400~800番くらいでしっかり水を水ペーパーに垂らして印面を整えることを十分綺麗な状態になります。
転写シート
雁皮でできている、布字をするための紙です。
別紙に書いた印稿をこの転写シートを使って印面に転写します。
転写シートを使わない方法(マジックインキ転写法)もあります。
マジックインキ転写法の場合は、マジックインキ(イエロー)とトナー式プリンターをご用意ください。
字典
彫る文字の字形を調べる際に使います。
以下は、補助的な道具です。
無くても大丈夫ですし、代用できそうなものがあったらそちらをお使いください。
水滴
墨を磨る際や、水ペーパーを使う際に使います。
印矩(いんく)
印を押したい位置に押すための道具です。
印専用の定規のようなものです。
印褥台(いんじょくだい)
印をおすときの下敷きです。
ブラシ、歯ブラシ
印を彫っていくと、印面に粉がつきます。
粉を落とすのに歯ブラシのようなものがあると便利です。
布
印をふく布です。
印についた印泥をふくときに使います。
ティッシュペーパーでも構いません。
まとめ
これらが篆刻に必要な道具です。
たくさんありますが、印刀や印床など一度用意いただければ長く使えるものがほとんどです。
「篆刻は難しそう」という印象をお持ちの方も多いかもしれませんが、自分で彫った印があれば、作品作りがより一層楽しくなると思います。
ぜひチャレンジしてみてください。