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作品に印を押す位置は、作品を制作する上でとても大切にされている方が多いのではないでしょうか。
でも大きな作品に印をまっすぐ押すのは難しいですよね。
印矩(いんく)は押したい位置に印を押すためにとても便利な道具です。
この読み物では、印矩の使い方をご紹介いたします。
印矩の役割
印矩を印の押したい位置に合わせて固定し、印を印矩にぴったり沿わせることで、押したい位置に押すことができます。
ガイドの役割を果たす、印専用の定規のような道具です。
印矩は、主にTのような形(T型)とLのような形(L型)の2種類があり、二辺を固定することで印の位置が定まります。
1回押しただけでは薄かったときに複数回押すことがあるかと思います。
その際にも、印矩があれば同じ位置に同じ角度で押すことができます。
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印矩を使った印の押し方
Step1 印影を作って位置を決める
作品を書き終え、署名を終えると印を押す段階です。
最初に『印影(いんえい)』を作ります。
『印影』とは、別の紙(作品と同じ種類の紙)に印を押し、その印の形に切り抜いたものを指します。
この『印影』を作品の上に置き、印を押す位置を決めます。
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Step2 印影の位置に合わせて印矩を置く
印影を動かさないように注意しながら、印矩を印影の形に沿うように置きます。
印矩を置いたら、印矩の位置はそのまま、印影を外します。
Step3 印矩を固定して印を押す
印に印泥をつけます。
■ 印泥の使い方はこちら>>
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印矩が動かないように左手で押さえながら、印矩の90度の角に印の角を合わせるようにして印を押します。
押したあとも、印矩は動かさないようにしてください。
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Step4 印矩は動かさず、薄かったら再度同じ位置に押す
印矩の位置はそのまま、印のつき具合を確認して、薄かったら再度印泥をつけて同じ位置に押しなおします。
印矩があるので、同じ位置に重ねて押すことができます。
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印矩の裏表
印矩には面取りをしている面と、していない面がある場合があります。
面取りがしてある方を作品に接するようにして使用してください。
印を押した際に、印泥が印矩について作品に汚さないようにするためです。
印矩の形と材質
主にTのような形(T型)とLのような形(L型)の2種類があり、スライド式のものもあります。
使いやすい形をお選びください。
印矩の材質は、黒檀などの木材から真鍮といった金属製のもの、透明のものまであります。
重いほうが印矩がずれにくくなります。
まとめ
印矩の使い方をご紹介いたしました。
印矩は、押したい位置に印を押すためにとても便利な道具です。
1回押してみて薄かった場合も、印矩があれば、再度同じ場所に押すことができます。
印泥の使い方や印泥の豆知識を、別の読み物にてご紹介しておりますので合わせてご覧くださいませ。