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印泥(いんでい)は作品をより引き立たせる大切なアイテム。
納得のいく印を押せるようになるためには、印泥の正しい使い方を知ることが大切です。
印泥の使い方
印泥をご購入後、開封するところから、印に印泥をつけるところまでをご説明いたします。
Step0 開封
ご購入時、印泥は平らで固まった状態になっています。
印泥にビニールがかかっている場合は剥がしてください。
このままお使いになることも可能ですが、印に印泥をしっかり付着させるためにもヘラで練り混ぜてからご使用されることをお勧めいたします。
練り混ぜず使ってしまうと、印泥の同じところばかりが減って、使ううちにどんどん印泥がつけにくくなってしまったり、朱と油が分離して印がきれいに押せなくなってしまうためです。
(混ぜ方はStep1でご説明いたします)
Step1 ヘラで底からしっかり混ぜる
印泥をヘラでしっかりと混ぜてください。
(前回使用されてから日数が経過すると、固まった状態になり印面全体に綺麗に印泥が付着できないため、この作業はご使用になる度に必要です。)
底から持ち上げるように全体的に混ぜるのがポイントです。
しっかりと撹拌させなければ、同じ箇所ばかり印泥をつけることになり、印泥のつきが悪くなってしまいます。
また、印泥の原料である朱と油は分離しやすく、よく混ぜてあげないと油分が分離して腐ってしまいますので、しっかり練り混ぜてください。
Step2 団子状にする
しっかりと練り混ぜたあと、写真のように、丸く団子状にしてください。
丸い状態にすることで、印泥を印にまんべんなくつけることができます。
Step3 印泥を軽くたたくような感覚でつけていく
印泥を、印に軽くたたくような感覚でつけていきます。
ぎゅっと押し付けてしまわないように気を付けてください。
印泥を動かしても印を動かしてもどちらでも構いません。
印泥がどのくらいついたか、印の面をたびたび確認しながらつけるのがポイントです。
つけ過ぎず、少な過ぎず。
つけ過ぎると、彫ったところに印泥が入り込んで印面の線が潰れてしまいますし、少な過ぎると印が映りません。
Step4 印褥台と印矩を使って印を押す
印に印泥をつけ終わったら、次は印褥台と印矩を使って紙に押します。
紙の下に印褥台を敷き、印を押したい位置に印矩を合わせてください。
使い終わった印泥は、しまう前にもう一度全体を混ぜ、ふたをし、付属の木箱に入れて保管します。
印泥は使うたびにしっかり練り混ぜてください。
長期間放置すると、乾燥して固まってしまったり、油が分離してベタベタになったりしてしまいます。
長期間使わない場合も、定期的に練り混ぜてください。
印泥の色の選び方
印泥には多様な色合いがあります。
押す印の種類はもちろんのこと、印の色や場所によって作品の印象は大きく変わります。
■光明(こうみょう)・・・明るい朱色で、優しい印象の仮名・漢字作品向き
■箭鏃(せんぞく)・・・鮮やな黄口朱色で、品のある印象の万能作品向き
■美麗(びれい)・・・光明よりも濃いめの赤色で、落ち着いた印象の漢字作品向き
参考として、かな作品向き、漢字作品向きと書いていますが、色の選び方に決まりはありません。
ご自身の作風に合う色、お好みの色をお選びください。
印泥の重さの単位
印泥のサイズ(容量)は「両」という単位を使い、1両装は30gです。
書遊Onlineでは、1/5両装(6g)、1/2両装(15g)、2/3両装(20g)、1両装(30g)、2両装(60g)、3両装(90g)、5両装(150g)、10両装(300g)を取り扱っております。
容器が小さすぎると印泥がつけづらいことがあるので、印の大きさに合わせてお選びください。
目安としては、2.0cm角の印材なら、1/2両装(15g)で問題なく印泥をつけることができます。
有害な重金属を一切含まない「七宝印泥」
「七宝印泥」は有害な重金属を一切含まない有機・無機顔料を用い、昔ながらの製法で作られたオーガニックな印泥です。
人にも地球にもやさしい、環境に配慮した安心・安全な印泥としてご利用いただけます。
硬くならず目詰まりしにくい高級もぐさと良質な油を使っているため、印泥がかたくなったり、油分が分離してしまったり、というトラブルが少ないのが特徴です。
また、使用時にほのかに香る白檀の香りが心を整えます。
まとめ
印泥の使い方をご紹介いたしました。
印泥は、底からしっかり練り混ぜて団子状に丸めてからお使いください。
印に印泥をつける際は、ぎゅっと押し付けず、軽くたたくようにつけるのがポイントです。
印矩を使って押す方法や印泥の豆知識を別の読み物にてご紹介しておりますので、合わせてご覧くださいませ。