大切な掛軸やお気に入りの掛軸は、季節や好みで飾って楽しみたいものです。
丁寧にゆっくりと扱えば、難しくありません。作品をより大切に飾って長く楽しみましょう。
ここでは紐のほどき方から掛軸のかけ方までをご紹介します。
紐のほどき方
①まず巻緒の端を引っ張り、紐の結びをゆっくりとほどいていきましょう。
片手に掛軸を乗せ、もう片手で紐を手前に引きます。掛軸は回さずに巻緒の端を動かして紐をほどきます。
③巻緒は掛軸の裏面に垂らし、床の間の下座方向に移動させます。
(床の間の位置はご家庭によって異なりますので、床柱のある方が下座になります。)
④巻緒をほどいたら平らなところに掛軸を置きます。風帯がある場合は、風帯の折れを直しましょう。
掛軸をかける
掛軸をかける前に、高さの位置を決めることが大切です。
掛軸というのは本来座って鑑賞しますので、座った時に掛軸を少し見上げるくらいが適度な高さです。
掛軸の高さを調節したい時は「自在(じざい)」という道具を使います。先に金具に自在をかけて好みの位置に調節し、高さを決めてから、掛軸をかけます。
高さの調整が必要な場合は掛軸をかける前に自在を使って高さを調整しましょう。
⑤右手に矢筈(やはず)を持ち、左手は掛軸の中央あたりで下から添えるようにして軽く持ちます。矢筈を掛軸にかけたらそのまま上にゆっくりと持ち上げ、掛緒を金具に引っ掛けます。
⑥右手の矢筈(やはず)を置き、両手で軸先を持ち、ゆっくりと下へおろします。
座って鑑賞するときに、少し見上げるくらいがちょうどいい高さの目安です。