捌けた筆を専用糊で固める方法
筆の手入れや保存方法については、大切な作業のひとつ。 使用後に筆の根元を洗わずに固めて使う方も様々ですが、プロが使う「専用糊」を使えば買ったときに近づけることが出来ます。
専門家も使用する、筆固め専用糊が良い理由
この専用糊の利点は筆を傷めないことです。樹脂系の墨液などで筆を固めて使うと傷んでしまいますが、この「専用糊」で固めれば毛を傷めず筆を長持ちさせることができます。 もう一点は筆の長期保存の際にしっかりと筆を守ってくれること。 大筆などを長期使わずに保存する際も虫食いや穂割れを防いでくれます。 それでは、早速使い方を紹介いたします。
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- 専用糊
- 水
- 糊を混ぜる平らな板
- へら
- 筆櫛
- 糸(糸は一方を壁や台に固定してください)
※糊固めを行う筆はしっかり洗って、墨を落としてください。
1.糊をスプーン一杯程度、ガラス板など平らな所に出します。小筆で10本位できます。 糊状になるまで水を適量加えて混ぜます。 押しつけながら混ぜる必要があるので、平らなところで混ぜましょう。
2.筆を回して毛を開き、糊を押し込むように筆全体に糊を行き渡らせます。 筆の中心部に糊がしっかり入っていることが大切です。
3.余分な糊をへらなどでとり、櫛で毛を整え、浮き毛を抑えましょう。
4.糸でさらに余分な糊を絞り出します。 穂首の根元に糸を下から上に一回巻きつけます。 右手で糸の端を軽く持ちます。糸を強く引っ張ると、筆がスムーズに回りません。 親指と人差し指で、筆を時計の反対方向に回しながら余分な糊を絞り出します。 (糸が自分の方に真っすぐになるように意識し、筆軸がなるべく糸と並行になるようにすると上手くできました。)
5.筆を時計方向に回して、指先でねじれと曲がりを直します。 強くつまむと毛先が尖りません。 直射日光を避けて乾かします。大筆は4日、小筆は3日位かかります。
糸で糊を絞り出す工程が少し難しいですが、コツをつかめばご自宅で簡単に筆をお手入れ出来るようになります。 ぜひご自宅でお試しください。