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墨の継ぎ方

コラム, , 道具の使い方
固型墨を日々磨り続けていると、だんだん小さく減っていき、手で握るのも難しくなってきます。
短くなった墨は、「墨ばさみを使って磨る方法」と「墨と墨を継いで磨る方法」があります。
職人さんが一丁一丁丁寧に手造りされてできた墨。小さくなってしまった墨も最後まで大切に使いきりたいものです。
それでは意外と簡単にできるおすすめの「墨の継ぎ方」をご紹介します。
小さくなった墨や折れてしまった墨でお困りの方はぜひ、この方法を試してみてください。
 

墨は墨で継ぐ

接着剤も市販されていますが、墨以外の成分で墨を継ぐのはちょっと心配になりますよね。
墨の接着は接着剤を使わなくてもできるんです。
墨は「膠(にかわ)」と「煤(すす)」と「香料(こうりょう)」からできています。
この中の原材料のひとつである「膠(にかわ)」が、墨を固めるための接着剤の役割りを果たしています。
そのため、濃く濃くネバネバになるまで磨った墨を継ぎたい墨同士に塗ることで、墨の品質や墨色を変えることなく安心して墨継を行うことができます。
 

継ぎ方

①小さくなった墨を用意します。
接着する接着面には、事前にぬるま湯に3分~5分程度浸けておくと良いでしょう。

②継ぎたい墨を両方とも墨の磨り口が平になるまで磨ります。
折れてしまった墨の場合も同じですが、凸凹した面を平にするにはちょっと根気がいりますね。

③接着剤の役割となる濃い墨を作ります。
②で磨った墨を少量用意し、さらに継ぎたい墨で超高濃度の墨液を作ります。
ここで磨る墨の濃度が接着力を左右しますので、墨はできる限り濃く、ドロドロからネバネバになるまで磨ってください。
〈磨り始め〉

〈ネバネバ状態〉

④ネバネバになるまで磨った墨を、②で平らにしておいた墨の磨り口に浸けます。
あまりつけ過ぎる必要はありませんが、磨り口にまんべんなくつけましょう。

⑤接着面同士を合わせて、接着します。
ズレないように注意し、両手でギューっと圧力をかけて、ふたつの墨を圧着します。
できれば1分程度圧力をかけてください。
接着部分の墨は乾くとやや縮まりますので、ここでは接着部分から墨がはみ出していても構いません。
圧着した後、接着した周囲に接着に使ったドロドロの墨を筆や指で塗ります。

⑥接着部分が十分に乾くまで、自然乾燥させます。
小さいものでも、芯のほうまで乾かすためには数日かかりますので、3日間は乾かしましょう。

これで墨継ぎの完成です。

お手元の小さくなった墨をどんどんくっつけていただき、ぜひ最後まで大切にお使いください。

 

墨専用の接着剤を使う

忙しくて時間がないときには、墨専用の接着剤を使って墨を継ぐのも一つです。
手軽にできる墨専用の接着剤も販売していますので、必要に応じてお選びください。

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