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印材の種類
印材にはたくさんの種類があります。
印材の比較がしやすいよう、「切れ味」「やわらかさ」「細工度」「粘り度」の目安を載せております。
印材選びの参考になさってください。
初心者の方や女性の方は、「細工度」の高い印材をお選びいただくと彫りやすいかと思います。
印材は天然物ですので、同じ種類の印材でも彫り味が異なることも多々あります。
さまざまな石に触れ、たくさん彫り、ぜひその彫り味の違いをお楽しみください。
※切れ味、やわらかさ、細工度、粘り度は5段階表示です。
※印材は天然石のため、あくまでも目安としてご覧ください。
※同銘柄でも、色が画像とは異なる場合がございます。
▼ 項目 | |
---|---|
切れ味 | 「5」になるほど切れ味が鋭い。パリパリとした彫り味。 |
やわらかさ | 「5」になるほどやわらかく、彫りやすい。一方で脆く割れやすくなる。 |
細工度 | 「5」になるほど細工しやすい。 |
粘り度 | 「5」になるほど粘り度が高く、字がとびにくい。 |
青田青白章石(せいでんせいはくしょうせき)
印材と言えば「青田」。切れ味良く、細工性に優れた石。
印材と言えば「青田」。切れ味良く、細工性に優れた石。
青田青白章石(せいでんせいはくしょうせき)は、中国浙江省青田県山脈で採れる印材です。
自然な趣を出しやすい石質で、印材と言えば「青田」といわれる程に人気が高く、 青田にはじまり青田で終わると言われるほどに多くの方に好んで使われています。
青田石は比較的石質にムラがない上、切れ味が良く、細工性に優れた石です。
■書遊Onlineでご紹介している『青田青白章石』はこちら»
純白青田石(じゅんぱくせいでんせき)
不純物が少なく、切れ味に優れた石
純白青田石(じゅんぱくせいでんせき)は、中国の浙江省青田県山脈で採れる青田青白章石から極力不純物の少ない箇所を選別して採れたものです。
巴林石(ぱりんせき)
程よい硬さで刻しやすく、細工性に優れた石
巴林石(ぱりんせき)は、中国北東・内蒙古巴林右旗付近で採れる印材です。
やや柔らかく刻しやすく欠けにくい石質が特長で、細工のできる石質です。
初心者でも安心してお使いいただけます。
巴林石(ぱりんせき)は、青田石などに比べると歴史の浅い印材で、ここ最近人気が高まってきた石です。
遼寧丹凍緑石(りょうねいたんとうりょくせき)
粘りがあり、細工性に優れた石
遼寧丹凍緑石(りょうねいたんとうりょくせき)は、中国の遼寧丹東市で採れる印材です。
粘りがあり欠けにくく、初心者の方にも安心してお使いいただける石質です。
■書遊Onlineでご紹介している『遼寧丹凍緑石』はこちら»
青海彩凍石(せいかいさいとうせき)
柔らかく、古風で味わい深い雰囲気の出る石
青海彩凍石(せいかいさいとうせき)は、中国の青海省新彊自治区昆包山脈で採れる印材です。
粘りがあり欠けにくく、古風で味わい深い雰囲気の出る石質です。
また、透明感があり高級感をも感じさせる印材の一つです。
西蔵彩凍石(せいぞうさいとうせき)
粘りがあり欠けにくく、切れ味や細工性に優れた石
西蔵彩凍石(せいぞうさいとうせき)は、中国の西蔵自治区で採れる印材です。
粘りがあり欠けにくく、初心者にも安心してお使いいただける石質です。
寿山平頭石(じゅざんへいとうせき)
乾いた彫り味で切れ味に富む石
寿山平頭石(じゅざんへいとうせき)は、中国福建省福州東方寿山・月洋付近で採れる印材です。
乾いた彫り味で細工しやすく、切れ味に富みます。
乾隆凍石(かんりゅうとうせき)
切れ味が良く、カリカリっと小気味よい彫り味が特徴の石
乾隆凍石(かんりゅうとうせき)は、カリカリっと小気味よい彫り味が特徴の細工しやすい印材です。
個々に出方が異なりますが、複雑に混ざりあう色がダイナミックな模様を作り、奥深い色をしています。
肖山紅石(しょうざんこうせき)
印刀が食い込む感覚の彫り味と、あざやかな紅色が特徴の石
肖山紅石(しょうざんこうせき)は、やや粘り気があり、印刀が食い込む感覚の彫り味が楽しめます。
細工もしやすく、あざやかな紅色からは重厚感が感じられ、美しい表情を持つ石です。
昌化石(しょうかせき)
細工・切れ味に富んだ、乾いた彫り味が特徴の石
昌化石(しょうかせき)は、浙江省の昌化地区で産出される石です。
乾いた彫り味で細工・切れ味に富んでいます。
白雲彩凍石(はくうんさいとうせき)
白く透き通るような美しい石肌で、細工がしやすい石
白雲彩凍石(はくうんさいとうせき)は、中国遼寧省海城県付近で採れる石です。
名前の通り、白く透き通るような美しい石肌で、細工がしやすく、切れ味に富み、欠けにくい石質が特徴です。
初心者の方でも安心して篆刻をお楽しみいただけます。
大和青田(やまとせいでん)【人工印材】
柔らかく彫りやすい人工印材
大和青田(やまとせいでん)は、柔らかく初心者の方にも彫りやすい日本で造られた人工の印材です。
天然の印材とは異なり一定の彫り味なので、これから篆刻を始められる方や、教材として同じ彫り味のものをたくさん必要とされる場合などに重宝します。
■書遊Onlineでご紹介している『大和青田【人工印材】』はこちら»
印材選びのポイント
①なるべく色のムラがなく、均質なもの
②透明度の高いもの
③手で触ってみてねっとりとしていて油気が感じられるもの
④ガサガサしていないもの
が良いと言われています。
彫り手との相性もありますので、いろいろな石を彫ってみて、それぞれ特徴を知ることが大切です。
初心者の方におすすめの印材
篆刻が初めてという方には、
・青田青白章石(せいでんしょうはくしょうせき)
・巴林石(ぱりんせき)
・白雲彩凍石(はくうんんさいとうせき)
・肖山紅石(しょうざんこうせき)
が、彫りやすさの点でおすすめです。
とはいえ、たくさんの種類の石を刻ることが上達の近道ですので、手にとったときの印象で決めたり、ご自身が惹かれる石に挑戦してみることもおすすめです。
まとめ
書遊Onlineで取り扱っている印材の種類をご紹介しました。
いろいろな種類の石を彫って、その彫り味の違いをお楽しみください。
ご自身で篆刻した印があると、作品への愛着がぐっと増すことでしょう。
「書作品の中で印は無彩色の中の紅一点、龍の目を描くがごとき大切なもの。」と言う書家の方もいらっしゃいます。
この機会に篆刻に挑戦してみてはいかがでしょうか?