カテゴリー: コラム

  • 墨液の気になる使用期限

    墨液の気になる使用期限

    墨液(液体墨、墨汁)には使用期限があります

    磨らずにすぐ使えて便利な墨液ですが、使用期限があるので注意が必要です。
    目安としては、墨液は1年以内に使い切ると良いでしょう。
    使用期限はおよそ2年程度。
    未開封であれば、保存環境や種類にもよりますが3年~5年程度は大丈夫だと言われています。
    開封後は劣化が進んでしまいますので、できるだけ早くお使いください。
    開封後は、1週間に1度定期的に容器を振ると劣化を遅らせることができると言われています。

    原材料による違い

    墨液には、膠(ニカワ)を使用した「膠系」と、合成樹脂を使用した「樹脂系」の二種類があります。
    それぞれ特徴がありますが、「膠系」の墨液は固形墨の表現力に近い表現が可能な商品もある一方で、使用期限は「樹脂系」よりも短いとされています。

    -膠系墨液の特徴-

    1. 墨本来の自然な墨色を得ることが出来る。
    2. 墨本来の墨の伸びを得ることが出来る。
    3. 液状態を保つため膠の固まる性質を抑える 「塩分」が含まれており、表具を行うまでの乾燥期間として約1週間必要。
    4. 使用期限が短い。

    ▼ 膠系墨液『凛』

    凛

    -樹脂系墨液の特徴-

    1. 表具の際、ニジミの発生する可能性が低い。
    2. 力強さを表現しやすい。
    3. 墨本来の自然な墨色や伸びを得ることが難しい。
    4. 使用期限が膠系に比べて長い。

    ▼ 樹脂系墨液『玄宗』

    玄宗

    墨液でやってはいけない3つのこと

    墨液の品質を保つため、墨液を使う際に特に避けていただきたいことが3つございます。

    ・硯に出した墨液を元の容器に戻す ×
    ・樹脂系の墨液と、膠系の墨液や固形墨で磨った墨を混ぜる ×
    ・直射日光、高温、多湿の環境下で保存する ×

    硯に出した墨液を元の容器に戻す ×

    墨液は、空気に触れると劣化が進みます。
    そのため一度出した墨液を容器に戻してしまうと、容器の中の墨液全体で劣化が進んでしまうことになります。
    また、水で薄めた墨液を容器に戻してしまうとより劣化が早まります。

    樹脂系の墨液と、膠系の墨液や固形墨で磨った墨を混ぜる ×

    お好みの墨色を出すため、墨を混ぜるという場合もあるかと思います。
    膠系同士なら混ぜてご使用いただけますが、樹脂系と膠系を混ぜることはできません。
    膠系墨液と、同じ膠系の固形墨の磨り墨を混ぜて使う際、濃墨の場合は粒子が沈殿してしまうことがありますので少量ずつお試しください。

    直射日光、高温、多湿の環境下で保存する ×

    直射日光、高温、多湿の環境下では墨液の劣化を早めます。
    特に最近は7月8月の最高気温が35℃を超える日が多くなっており、真夏は墨液を冷蔵庫で保存するという方もいらっしゃいます。(※冷凍庫は厳禁)
    ただし、あまりに冷やしすぎると墨液が凝固してしまいますので適温を心がけましょう。

    墨液が劣化すると…

    腐敗するとドロドロとした墨液になります。
    防腐剤が入っている墨液だとそこまで腐敗が進むことはないかと思いますが、書いたときにツヤが無くなったり滲みがうまく出なかったりすることがあります。
    見た目やにおいで変化が感じられなくても、表具の際にニジミや変色が起きてしまう可能性があります。
    (購入後1年以内に使い切ることをおすすめします)

    硯に出した墨液が残ってしまったら

    一度容器から出した墨液は、その日のうちに使い切るようにしましょう。
    とはいっても、硯に出した墨液がたくさん残ってしまって、そのまま捨てるのはもったいない…というときもあるかと思います。
    その際は、フタが付いている硯や墨池に入れてしっかり封をして保管することもできます。
    ただしお早目にお使いください。

    書遊Onlineで販売中の墨液ランキング

    -膠系墨液ランキング-

    書芸呉竹 紫紺系

    1. 書芸呉竹 紫紺系

    250cc、500cc、1.0Lなど。
    純黒、青系もございます。

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    凛

    2. 凛

    500ml、2000ml。
    濃墨もございます。

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    皇壽

    3. 皇壽

    100ml、500ml、1000ml。

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    -樹脂系墨液ランキング-

    クロスケ

    1. クロスケ

    180cc10本セット、450本5本セット、1800ccなど。
    濃墨もございます。

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    花仙

    2. 花仙

    100cc、400cc、1.0L。
    茶墨、青墨もございます。

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    玄宗

    3. 玄宗

    200cc、500cc、2.0L。
    中濃、濃墨、超濃墨もございます。

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    まとめ

    墨液には使用期限があり、およそ2年程度。
    目安としては墨液は1年以内に使い切ると良いでしょう。
    開封後は劣化が進んでしまいますので、できるだけ早くお使いください。
    一度硯に出した墨液はその日のうちに使い切るように意識していただくと良いかと思います。
    もし残ってしまった場合は、墨液の容器に戻さず、封ができる別の容器に入れて保管するようにしましょう。

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  • 書道紙の正しい保存方法と「寝かせ方」

    書道紙の正しい保存方法と「寝かせ方」

    書道紙は文房四宝の中でも非常に大切な役割を果たす道具です。
    紙の厚さ、製法の違いにより多種多様な味わいを見せてくれます。
    書道紙の保存には万全の注意を払い、より良い作品づくりに活かしたいところです。

    正しい保存方法とは?

    書道紙の保存は、特に直射日光と湿気に注意が必要です。

    おすすめの保存場所

    直射日光が当たらず、風通しが良く、湿気が少ない場所をお選びください。
    桐ダンスの中、タンスの上などが良いとされています。

    おすすめの保存方法

    新聞紙や和紙で包むと、紙が呼吸しやすく、また直射日光から守ることができます。
    書道紙の下にすのこを置いて通気性をよくしたり、湿気対策として、吸湿剤や乾燥剤を利用するのも効果的です。
    また、防虫香(衣類用の防虫剤で構いません)を添えることで、虫食いの予防になります。
    ビニール素材などで密封されますと、紙が呼吸できなくなるため、シミなどの原因となりますのでご注意ください。

    紙を「寝かせる」とは?

    「紙を寝かす」という言葉がありますが、一般的に紙は漉きたてのものよりも数年経ったものが良い、と言われています。
    寝かせる期間は一概に言えませんが、10年寝かせるのが理想、という書家の方もいらっしゃいます。
    作りたい作品のテイストやご自身の好みによりますので、いろいろと試してみてお好みの期間を見つけていただければ幸いです。

    紙を寝かせるメリット

    紙を寝かせることによって余分な水分が抜け、紙の繊維が締まり、

    ①墨が紙に十分に浸透するが、にじみが少なくなる
    ②墨色が美しくなる
    ③かすれが美しくなる
    ④筆の紙離れが良くなり、書きやすくなる

    といった効果が得られます。

    紙は湿気を吸い、湿気を吐き出し、それを繰り返すことによって、糊気と水分を飛ばしていきます。
    その糊気や水分を飛ばして乾燥した状態の紙を『枯れた紙』といいます。
    この『枯れた紙』は、筆あたりが良く墨色の発色の良いのはもちろん、にじみとかすれを美しく表現することができます。
    紙を寝かせることによって、多少黄ばみやシミ(「星」と呼ばれる)が出ることもありますが、
    正しい保存方法であれば、逆に重宝がられる事もありますのでご心配には及びません。
    なお、にじみ止めや染料を使っている紙(料紙、加工紙、機械漉画仙紙 等)は、寝かせても意味がありません。
    長期保存するとかたくなったり、折れやすくなったりすることがありますのでご注意ください。

    紙も風邪を引く!?

    一方で、十分に寝かせていても保存方法を間違えると、墨をのせたときに斑点のように白く浮き上がってしまうといった「紙が風邪をひく」という現象が起こります。
    寝かせ方によって、漉きたての紙よりも質を低下させる事もありますので、紙の保存には十分な注意が必要です。

    まとめ

    作品づくりに欠かせない書道紙。保存方法に気を付けることで、作品の質もぐっと上がります。
    正しい保存方法で紙を寝かせて、筆あたりの良さやかすれの美しさを味わってみてください。

    また、近年は紙が製品化されてからお客様の手に渡るまでの期間が昔と比べて数カ月早まっており、紙の自然乾燥期間が短くなっております。
    そのため、お客様のお手元に届く時点では昔のような乾燥期間を経ておらず、ニジミが治まりきらない状態に近いため、多くの紙に「ニジミ止め」が施されています。
    このニジミ止め効果は、数カ月毎にニジミ止め効果が高まるため、昔のように紙を寝かせ過ぎると全く墨の入らない紙質に変化してしまう恐れがあるのが実情となっております。

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  • 硯の選び方

    硯の選び方

    硯は良い墨色を得る上で重要な役割を果たします。
    「硯は一生もの」といわれるように、できるだけ良質の硯をご予算に合わせてお選びください。
    用途やスペースに合わせて、大きさからお選びいただくのも良いですし、
    石によって特徴がありますので、お好みの石の種類から選んでいただくのも良いかと思います。

    硯の大きさ

    硯の大きさをあらわす単位は吋(インチ)で、 1吋(インチ)= 約2.5cmです。
    メーカーによって若干の差がありますが、硯は一般的には下記のようなサイズとなります。

    3吋・・・縦7.5cm×横6.0cm
    4吋・・・縦10.0cm×横7.0cm
    5吋・・・縦12.5cm×横8.5cm
    6吋・・・縦15.0cm×横10.0cm
    7吋・・・縦17.5cm×横11.5cm
    8吋・・・縦20.0cm×横13.0cm
    9吋・・・縦22.5cm×横14.5cm
    10吋・・・縦25.0cm×横16.5cm

    また、和硯では、四五平(しごひら)や五三寸(ごさんずん)などといった、伝統的な表現で大きさを示しているものもございます。

    二五度(にごたび)・・・・縦7.5cm×横4.5cm
    三五度(さんごたび)・・・縦10.5cm×横4.5cm
    四二寸(しにすん)・・・・縦12.0cm×横6.0cm
    四五平(しごひら)・・・・縦13.5cm×横7.5cm
    五三寸(ごさんずん)・・・縦15.0cm×横9.0cm
    小四六(こしろく)・・・・縦16.5cm×横10.5cm
    正四六(せいしろく)・・・縦18.0cm×横12.0cm
    大四六(おおしろく)・・・縦19.5cm×横13.5cm

    硯の各部の名称

    墨を磨るところを「丘(おか)」、磨った墨を溜めるところを「海(うみ)」と呼びます。
    硯の表面を「硯面(けんめん)」、裏面を「硯陰(けんいん)」と呼びます。

    硯の選び方

    大きさで選ぶ

    かな/実用書には・・・・・・3吋~5吋
    漢字半紙/かな条幅には・・・6吋~7吋
    漢字条幅用には・・・・・・・8吋~10吋
    ※お稽古などに持ち運びをされる方はご自宅用とは別に持ち帰り用の硯をお持ちになると便利です。
    ※上記はあくまでも目安です。

    石の特徴で選ぶ

    硯には石の産地によって名前がついています。
    それぞれ石の色や特徴がちがいますので、ぜひお気に入りの硯を見つけてください。

    ■雄勝硯(おがつすずり)

    和硯の代表的産地である宮城県で作られる硯

    黒色硬質粘板岩で光沢・粒子の均質さが優れ、その特性は純黒色で圧縮・曲げに強く給水率が低く、化学的作用や永い年月にも変質しない性質を持っています。
    ※2011年3月11日の東日本大震災により、和硯の代表的産地が壊滅的被害を受けました。
    現状といたしましては、安徽省で採れる石を、宮城県 仙台市、石巻市桃生郡雄勝町にて仕上げ加工して出荷させて頂いております。
    現在雄勝硯を改め、雄勝加工硯と称して販売しております。

    ■細羅紋硯(さいらもんけん)

    安くて墨おりが良い硯

    中国江西省の竜尾山一帯及び、芙蓉渓に沿った地域 から採れる硯。
    薄い板状の岩が層になっている石材を縦割りに切り取り硯に仕上げており、横目の細かい文様(羅紋)が特徴です。
    安くて墨おりが良いので、初心者の方におすすめです。

    ■宋坑端渓硯(そうこうたんけいけん)

    初心者も手にしやすい価格が魅力

    中国広東省肇慶市高要県に面する斧柯山一帯で採れる硯。
    端渓硯の中でも最もリーズナブルな価格が魅力です。
    茶色がかった石色が特徴で、石質は比較的硬く墨おりも早い硯です。
    硯面がギラギラしたものや赤味が強いものは、非常に硬質な石質となることが多い為、注意が必要です。

    ■新麻子坑端渓硯(しんましこうたんけいけん)

    深紫系の石色で石紋も美しい

    三大名坑の一つ新麻子坑、中国広東高要県に面する斧柯山一帯で採れる硯。
    色艶が良く、石色は深紫系の色で石紋の美しさも人気の理由です。
    紋様のバラエティーは老子に次ぎ、磨墨にも優れています。
    鋒鋩のキメが非常に細かいのが特徴です。
    鋒鋩があまり強くない為、こまめに硯の手入れをしてください。

    ■坑仔巌端渓硯(こうしがんたんけいけん)

    墨おりは非常に良くキメの細かい石質

    中国広東高要県に面する斧柯山一帯で採れる硯。
    老坑の南上の山腹に位置していることから、老坑端渓硯に酷似したものが多く見られます。
    比較的小さめの硯が多くなりますが、墨おりは非常に良くキメの細かい石質で、眼(ガン)と称する石紋が出る硯もあります。
    石色は紅紫色を基調としており、老坑端渓硯に比べて石が乾いている為、石声が金属音に近い音を出します。

    ■老坑端渓(ろうこうたんけいけん)

    端渓硯の中でも最上級

    中国広東高要県に面する斧柯山一帯で採れる硯。
    端渓硯の中でも最上級といわれており、高価なものでは数十万円するものもあり、多くは淡紫色をしています。
    墨おりは非常に良く、墨が溶けるようにおりていく感じを受けます。
    硯を水で濡らすと様々な紋様が現れるものもあります。
    古くから端渓第一といわれていましたが、現在は採掘を中止しており、大型のものは入手困難です。

    容姿で選ぶ

    硯の色・形・彫刻には様々な種類があり、高級な硯の場合は二つと同じものは存在しません。
    楕円型のものと角型のもので迷われておられる方が多いですが、ご自身のお好みでお選びいただいて問題ありません。
    彫刻もお好みでお選びください。
    彫刻があるものを好まれる方、ないものを好まれる方、どちらが良いということは全くございません。
    お好みでお選びください。

    鋒鋩(ほうぼう)で選ぶ

    硯面に無数にある微細な凸凹のことを「鋒鋩(ほうぼう)」といい、墨を磨る上で大切な「やすり」の役目を果たします。
    良い硯といわれるものは、鋒鋩がきめ細やかで、なめらかで墨色の良い墨が磨れます。

    ※鋒鋩は永久的なものではございません。
    鋒鋩が摩耗して墨が磨りにくくなったら、硯専用の砥石で研いで鋒鋩を立たせる必要がございますので、ご注意ください。
    ※最近は、硯を店頭に並べる際に、美しく見せる為に化粧を行うことが多く、触っただけでは判りづらくなっております。
    また、化粧を施した硯を最初にご使用になられる際は、一度砥石をかけられると非常によく墨を磨ることができます。

    重量感で選ぶ

    同じ硯でどちらを購入しようか…と迷われた場合は、重い方をお選びください。
    見た目では判りづらい硯の目の詰まり具合を判断する基準となります。

    まとめ

    良い硯で良い墨を磨る。最高の贅沢です。
    硯にこだわることで、墨が磨りやすく、奥行のある良い墨を磨ることができます。
    書遊Onlineでは、さまざまな大きさ、種類、価格帯の硯を取り扱っております。
    ぜひお気に入りの硯を見つけてください。

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  • 因州和紙の魅力

    因州和紙の魅力

    書道紙の全国シェア約50%を占める因州和紙

    因州和紙は、書道紙の中で全国トップクラスの生産量を誇る鳥取県東部(旧因幡国)特産の和紙です。
    書道や書画・水墨画に用いる画仙紙の生産量は日本一となる全国の約50%を占め、書画に適した風合いの良い画仙紙として利用されています。

    中でも三椏(みつまた)を主原料とした因州画仙紙は、 きめが細かく、筆運びが滑らかなことから「いくら書いても筆が傷みにくい」や「墨がかすれることなく長く書ける」という意味で 「因州筆切れず」といわれ、特に仮名書作品用として重宝される高品質の書道用紙として数多くの書道ユーザーに親しまれています。
    また、和紙としては日本で初めて経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されています。

    書道紙に向いた天然繊維を活かし、優れた特徴を持つ因州和紙

    因州和紙の特徴は、天然繊維の特徴を活かした温かみとしなやかさです。
    酸化しにくい因州和紙は自然な強さを持つことから実用性に優れ、「他の和紙で一枚書くうち二枚書け、滑らかで早く筆がすすむから墨も減らない」と言われています。

    手間をかけてつくる最高品質の紙

    因州和紙は楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などの靱皮繊維を原料とし、これらの長い繊維を均一に絡み合わせ、一枚一枚を漉きあげて乾燥する伝統的な製法で作られます。
    非常に手間の掛かる製法ですが、熟練の職人による長年培われた技術と経験から、最高品質の紙が作られています。

    因州和紙の制作工程

    因州和紙は、原料づくりから始まります。

    1. 原料作り
      作りたい和紙によって原料を選び、柔らかくして煮やすくするために水に浸しておきます。
    2. 煮る
      不純物を取り除く工程で、和紙に必要な繊維素だけを取り出します。
    3. 水洗い、晒し
      繊維素だけを残すため、清流にさらし不純物を取り除きます。
    4. 叩解
      結束した繊維を機械で叩き解します。繊維をほぐすことで、紙漉き時に原料の特徴を引き出すことが出来ます。
    5. 紙漉き
      漉舟に水をはり紙料を入れて汲み上げます。紙全体が均一な厚みになるように漉きます。
    6. 脱水
      漉いた紙の形を崩さないように、十分に水分を取り除きます。
    7. 乾燥
      脱水した紙を一枚づつ干板に張り付けて乾燥させます。
    8. 裁断
      包丁と切り板と定規のセットで行う伝統的な「手裁ち」や、機械で裁断を行います。

    因州和紙の原料について

    因州和紙の主な原料は、楮(こうぞ)・雁皮(がんぴ)・三椏(みつまた)の3種の中から目的の和紙に適した原料を選択し、紙漉きが行われます。
    江戸時代には因州和紙の原材料である楮と雁皮は重要な原料として、亀井侯文書に「切ってはならない木」と記され、これらの原料と品質を高める綺麗な清流に恵まれ、紙漉きの技術が発達しました。

    因州和紙の歴史と伝統

    因幡国での和紙生産の歴史は古く、8世紀前半(奈良時代)のものが確認されており、これは日本で最古期のものとして奈良の正倉院に保存されています。
    江戸時代には鳥取藩に上納する藩の御用紙(ごようし)や、庶民が使う紙として盛んに生産され、また藩の輸出品となり、保護策がとられています。
    因州和紙が現在のように全国的な知名度を確立したのは、第二次世界大戦後のことで、西洋紙の普及にともなって全国的に和紙の生産が急速に衰退する中、新しいタイプの和紙を生産し続けた結果、全国的なシェアを獲得するに至りました。

    伝統工芸としての因州和紙

    因州和紙は和紙としては日本で初めて経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されました。
    伝統的工芸品の指定にあたっては、

    • 製造過程の主要部分が手作りであること
    • 伝統的技術・技法によって製造されること
    • 伝統的に使用されてきた原材料であること

    などの要件規定が定められ、「手すき和紙」の伝統技術を継承する因州和紙は、この要件を満たしていると認定され、1975年(昭和50年)に全国の和紙の産地の中で一番早く「伝統的工芸品」の指定を受けました。
    現在でも6名の伝統工芸士が、因州和紙の製造技術の伝承と向上にあたっています。

    音風景百選に選ばれた因州和紙

    因州和紙の紙漉きの際、静かな山中で清らかな水に溶かした楮や三椏の繊維を簀桁を揺らせて紙を漉き上げる「ちゃっぽん、ちゃっぽん」という音が、伝統的な風物詩として評価されています。
    音環境を保全する上で特に意義があると認められた因州和紙の紙漉きは、1996年(平成8年)に環境庁(現在は環境省)による「残したい”日本の音風景100選”」として、伝統的な地場産業の音、生活との関わりの深い音と評価されています。

    原料にこだわった因州の機械漉き

    因州和紙は全ての和紙が手漉きというわけではなく、機械漉きの紙も漉かれています。
    機械漉きと聞くと、常に均一な商品が製造できるように聞こえますが、均一の紙を漉くことは非常に難しく、日々変化する気候や素材の個体差の見極めによって、職人の経験と技術と勘で機械の温度や速度を巧みに操りながら、因州の機械漉き和紙が作られています。
    「手漉きに劣らぬ品質と風合いの紙」は、日々研究が行われ、着実に技術が磨かれ続けています。

    安価で高品質な紙への挑戦

    習字や書道の練習は、繰り返し繰り返しの反復練習の練習量が非常に重要なことから、消費者が買い求めやすい価格に抑えた製品を作ることも重要な使命です。
    様々な効率化を図り、製造コストを極限まで抑える努力が日々行われ、高品質でありながら低価格の製品が製造されています。

    書遊Onlineで人気の因州和紙のご紹介

    因州和紙の中でも、書遊Onlineで特に人気がある商品をご紹介いたします。
    どれも納得のいく紙ばかりです、是非一度お試しくださいませ。

    極品玉蘭箋

    春蘭箋

    蘭渓半紙

    楮紙

    唐紙

    白鶴

    学生白鳳

    因州画仙 飛鳥

  • 掛軸をかける

    掛軸をかける

    大切な掛軸やお気に入りの掛軸は、季節や好みで飾って楽しみたいものです。
    丁寧にゆっくりと扱えば、難しくありません。作品をより大切に飾って長く楽しみましょう。
    ここでは紐のほどき方から掛軸のかけ方までをご紹介します。

    紐のほどき方

    ①まず巻緒の端を引っ張り、紐の結びをゆっくりとほどいていきましょう。
    片手に掛軸を乗せ、もう片手で紐を手前に引きます。掛軸は回さずに巻緒の端を動かして紐をほどきます。


    ③巻緒は掛軸の裏面に垂らし、床の間の下座方向に移動させます。
    (床の間の位置はご家庭によって異なりますので、床柱のある方が下座になります。)

    ④巻緒をほどいたら平らなところに掛軸を置きます。風帯がある場合は、風帯の折れを直しましょう。

    掛軸をかける

    掛軸をかける前に、高さの位置を決めることが大切です。
    掛軸というのは本来座って鑑賞しますので、座った時に掛軸を少し見上げるくらいが適度な高さです。
    掛軸の高さを調節したい時は「自在(じざい)」という道具を使います。先に金具に自在をかけて好みの位置に調節し、高さを決めてから、掛軸をかけます。
    高さの調整が必要な場合は掛軸をかける前に自在を使って高さを調整しましょう。

    ⑤右手に矢筈(やはず)を持ち、左手は掛軸の中央あたりで下から添えるようにして軽く持ちます。矢筈を掛軸にかけたらそのまま上にゆっくりと持ち上げ、掛緒を金具に引っ掛けます。

    ⑥右手の矢筈(やはず)を置き、両手で軸先を持ち、ゆっくりと下へおろします。
    座って鑑賞するときに、少し見上げるくらいがちょうどいい高さの目安です。

  • 掛軸を大切にしまう

    掛軸を大切にしまう

    掛軸を大切にしまうために

    次に飾るときまで大切に保管し、長く愛用するにはどんな風にしまえばいいか悩むことも多いのではないでしょうか。
    日本の暮らしに寄り添い、掛軸を大切にしまう方法をご紹介します。

    掛軸をおろす

    ①掛軸の近くに矢筈(やはず)を置き、まず掛軸の両端を両手で持ち、下からゆっくりと大きく巻き上げていきます。一文字近くまで巻き上げたら手を止めましょう。左手をそっと添えて掛け軸を支えます。右手に矢筈を持ち、矢筈の先端を使って紐を持ち上げて、掛軸をゆっくり外しましょう。

    たたんで巻く

    ②風帯がある掛軸の場合は下図のように右の風帯を上へ置き、左の風帯から順に折り目に沿ってたたみます。左右の風帯がたためたら巻き上げます。

    ②巻紙の端を巻緒に通し、2~3㎝挟みます。

    ③巻紙の反対側の端を一周させて掛緒にくぐらせます。くぐらせたら広がらないよう手で押さえておきましょう。

    結ぶ

    ④巻緒を手前にもってきます。

    ⑤巻緒を締め付けすぎないように3回巻き付けます。(掛軸は回転させないようにします。)

    ⑥巻緒を親指で掛緒にくぐらせます。

    ⑦巻緒を10㎝くらい引き上げます。

    ⑧ひねらないように気を付けながら、右側の掛緒にくぐらせます。

    ⑨左右の長さを調節します。

    桐箱にしまう

    ⑩湿気から守るため、掛軸全体を薄い和紙で包みます。和紙をたたんで桐箱の底に敷いても構いません。

    ②桐箱に表具用の防虫香を入れます。

    ③掛軸の向きを確認して、桐箱に掛軸を収めましょう。

    掛軸の向き

    桐箱の端の枕には向きがあります。幅が広いほうに八双がくるように収納してください。

    フタの向き

    桐箱のフタにも向きがあります。
    微妙な段差や木目など、向きを確認して無理な力を与えないようゆっくり閉めましょう。

    ④最後はタトウに入れて完成です。湿気の少ない暗所に保管してください。

    最低でも年に1回か2回は、天気の良い日に虫干しをしましょう。掛軸を虫食いやカビから守ります。

     
  • 掛軸に関する道具

    掛軸に関する道具

    掛軸をかけて飾ったり、外して保管するときなど、掛軸を扱う場面で色々な道具が存在します。
    「どんな風に使うものなのか」「どんなことをすればいいのか」掛軸にまつわるあれこれについてご紹介します。
    大切に仕立てた掛軸も丁寧に扱い、長く愉しみましょう。

     

    矢筈[やはず]

    掛軸を高い位置に掛けるための道具です。
    羽根付など色々なタイプがあります。

    風鎮[ふうちん]

    軸先に吊り下げて楽しむ装飾品です。元々は掛軸が風で揺れ動くことを鎮めるものでした。
    常に軸先に掛けたままでは風鎮の重みで掛軸を傷めてしまいますので、掛軸の掛け始めに限ってお使いいただくことをお薦めします。
    素材は陶器・石・金具など様々です。

    自在[じざい]

    掛軸の高さを調節するのに便利な道具です。
    金属や木製のものがあります。

    防虫香[ぼうちゅうこう]

    桐箱に掛軸を保管するときは、「表具用」の防虫香をお使いください。
    樟脳やナフタリンは掛軸を傷める原因になります。

    虫干し[むしぼし]

    桐箱に保管している掛軸は1年に1回か2回程度、春秋の晴天の日に日陰で陰干しすることで湿気をとり、虫食いやカビから防ぐ効果があります。

     
  • 筆の洗い方・お手入れ

    筆の洗い方・お手入れ

    書の道具のお手入れはとっても大切です。
    日々のお手入れ次第で良い筆もすぐにダメになってしまいます。
    きちんとしたお手入れ方法をご紹介しますので、初めての方はもちろん、経験されている方でも改めて確認してみてください。

    筆の洗い方

    書道筆には毛質・大きさ・太さなど、用途ごとにいろんな筆があります。
    その中でも基本となる太筆と細筆のお手入れ方法についてご紹介します。
    新しい筆のおろし方については、別に紹介しておりますのでそちらをご覧ください。

    太筆の洗い方

    ①毛の根元部分をもみほぐすようにぬるま湯でしっかり洗います。
    流水でも溜め水でもどちらでも構いませんが、30~40℃前後のお湯で洗うようにしましょう。

    筆の毛というのは、見えていませんが毛の差し込み部分の奥まで入り込んでいます。
    見えていない部分に入り込んだ墨を取り除くことができれば、毛が傷まず、毛が腐ったり抜けたり、筆が割れる現象が起こりにくくなります。
    とはいうものの、差し込み部分の中までは直接洗うことはできませんから、
    毛の根元部分を重点的にもみほぐすような感じで、触ってみればコリのようなものがあると思いますので、一見墨が落ちてないように思うかもしれませんが、何度も何度も洗うことがとても大切です。

    洗っても洗っても墨が出てくるものですが、できるだけ粘り強く墨を取り除くように洗ってください。

    ②洗い終えた筆は、やさしく毛をしぼるような感じで水分を取り除きましょう。

    ③指で穂先をきれいに整えます。また、筆櫛を利用して、傷んだ毛を整えることで乾燥後に筆が綺麗になります。

    ④洗い終えた筆は筆吊りなどに吊るして自然乾燥させましょう。
    筆が乾ききらないうちに再び使ってしまうと毛の差し込み部分が常に湿った状態になり、毛が腐る原因になってしまいます。毛が腐ってしまうと、抜け毛や切れ毛ができやすくなり、穂先ごと抜けてしまったり割れてしまいますので注意しましょう。

    細筆の洗い方

    細筆はもともと糊で固められた「固め筆」の状態で販売されています。
    細筆は毛の3分の1程度をおろして使いますから、使い終わっても洗う必要はありません。
    洗わない方法でお手入れを行いましょう。

    ①いらなくなった半紙やティッシュペーパーなど、水分をよく吸い取る紙を用意します。

    ②用意した紙に水を数滴たらします。

    ③穂先部分だけを②の上で寝かせるようにして墨を拭き取ります。
    筆を寝かせて穂先を整えるような感じで回転させながら、ゆっくり丁寧に墨を拭き取ることが大切です。
    おろした部分と固めたままの境目部分に墨がたまりやすいのですが、固めてある部分がほぐれてしまわないように慎重に拭き取りましょう。墨が薄くなってきたら終わりです。

    ④指で穂先をきれいに整えます。

    ⑤洗い終えた筆は筆吊りなどに吊るして自然乾燥させましょう。

    お手入れ中に細筆がさばけてしまったら・・

    細筆は何度も何度も繰り返しお手入れをしている間に毛の根元部分までさばけてしまうことがあります。
    そうなると、穂先だけを使って書く小さな文字や細い文字が書きにくくなります。
    その時はそのまま毛の全体を洗ってしまい、他の用途でお使いいただくか、「筆固め糊」でもう一度糊固めをし直してからお使いいただくとよいでしょう。

    筆を扱うときの注意点

    • 使用後の筆や洗い終わった筆にはキャップをしないでください。毛が腐ってしまいます。
    • 筆を洗うときには、洗剤などは使用しないようにしてください。
    • 筆はできる限りやさしく洗うようにしてください。
    • 洗い終えた筆は、十分乾燥させてからお使いください。

    筆は休ませながらお使いいただくことが一番です。
    長くお使いいただくためにも、お気に入りの筆は2~3本ご用意いただき、順に使うことが筆を長持ちさせる秘訣です。
    きちんとしたお手入れをして、お気に入りの筆を大切に使い続けたいものですね。

  • 紙の表裏・上下

    紙の表裏・上下

    紙の表裏

    紙にも表裏があります。
    どちらが表か分からなくなった時はまず紙の表面を触ってみると良いでしょう。

    一般的に、スベスベしたなめらかな方が表、ちょっとザラザラしたほうが裏です。
    紙を漉く時にすくい上げる行程で表裏ができるため、表面に凹凸のある面が裏になり、均等な面が表です。

    手触りの質感で判断するとわかりやすいですね。

    手漉きの紙の場合、他にも表裏を見分けられる方法があります。それは紙の裏面に見られる「刷毛目」です。

    紙を作る工程を考えるとその理由が分かります。

    手漉きの紙を作られる時には大きな鉄板に貼りつけて紙を乾かす工程があります。

    鉄板と紙の間に空気が入らないように刷毛で裏面を撫でるため、よく見れば手漉きの紙の裏面には刷毛の跡(刷毛目)があるのがわかります。機械漉きの紙では大きな機械式に代わり、そういった手作業はありませんので、刷毛目がつくことはありません。刷毛目があるかないかが大きなポイントです。

    紙をよく見ないと刷毛目がわかりにくいかもしれませんが、表裏を判断する上で有効な手段だと言えます。

    刷毛目がない場合も考えてみましょう。

    実は手漉きの紙でも機械漉きの紙でも、製造工程の時点で紙に表裏が生まれます。

    手漉きの紙でいうと、すのことの接着面が紙の裏になります。すのこに接着している面は凹凸が生まれるためザラザラとした質感になります。
    機械漉きの紙は、毛布と巨大なローラーに挟まれて出来上がりますから、毛布があたっている面が紙の裏になります。

    刷毛目のような特徴がないため、なかなか目で見るだけでは見分けが付きにくいところかもしれません。

    大きなサイズの紙を購入したときも、表裏が分かりにくいことがありますね。
    画仙紙や中国の宣紙など大きなサイズの紙は1反が4つ折りに畳まれています。

    この場合は折り畳まれている内側が表になります。

    紙の上下

    紙の上下を見分けるには、まず紙に模様があるかないかで考えてみましょう。
    文様や植物柄など、紙に柄があるものがあります。

    植物柄などには上下がありますから、柄の向きを考えると分かりやすくなります。

    上下区別なく使える連続紋様がありますので、その場合はどちらでも構わないでしょう。

    柄などがなく無地の場合は上下の区別はありませんから、お好みでお使いいただけます。

    四角形の色紙などでも、上下の区別に悩む方も多いのではないでしょうか。
    色紙の場合は、無地や金縁無地のものは上下の区別なくお使いいただけます。もし柄や色などがある場合は、それぞれに上下が考えられます。例えば、上下に模様がある色紙なら、模様と色紙の端の余白が多いほうが上で、少ない方が下になります。

    砂子の散らしが入っているものは、散らしが細かい方を下に、大きい方が上になります。平均的に散らしが入っている場合は、散らしの余白が多い方が上に、少ない方が下にくる方がバランスよく美しいでしょう。

    色が付いたものの場合は、景色で考えるとわかりやすくなります。

    空をイメージする青色系は上に、土をイメージする茶色系は下にするとよいでしょう。

    濃淡がある場合は、濃い方を上に、淡い方を下にするとよいでしょう。

  • 書道紙のサイズ

    書道紙のサイズ

    書道の紙といえば、何が思い浮かぶでしょうか?
    実は書道紙のサイズには種類や呼び名がたくさんあるのです。
    あらかじめ規格サイズに裁断されていますので、ご自身の目的にあった紙のサイズを選びましょう。
    種類が多くて分かりにくいかもしれませんが、目的や用途から選んでいただくと難しくありません。
    書道紙のサイズについて、これから分かりやすくご紹介いたします。

     書道紙の基本サイズは四尺画仙

    書道紙の中で最も基本となっているサイズは、四尺画仙(よんしゃくがせん)です。
    寸法は、約69×136㎝。別名を「全紙(ぜんし)」・「小画仙(しょうがせん)」・「四尺物(よんしゃくもの)」と呼んでいます。
    「四尺画仙(全紙)」を基本とし、これをタテ半分に裁断したものを「半切(はんせつ)」・「条幅(じょうふく)」と呼んでいます。公募展などに出す作品用には、公募展で決められたサイズがありますので、指定のサイズに合わせます。公募展のサイズは、額装したときのサイズですので注意しましょう。
    書遊Onlineでは特寸サイズの中からお選びいただけます。

    代表的な紙のサイズ

    代表的な紙のサイズや呼び名を大きいものから順に表にまとめました。下図と合わせてご覧ください。

    No. 紙のサイズ ふりがな サイズcm(横×縦) 別名称
    1 2×8尺 2かける8しゃく 約60×240cm 2×8(にはち)
    2 尺八屏 しゃくはっぺい 約53×234cm 中国規格のサイズ
          約53×228cm 日本規格のサイズ
    3 六尺画仙 ろくしゃくがせん 約96×180cm 大画仙
    4 3×6尺 3かける6しゃく 約90×180cm 三六(さぶろく)
    5 2×6尺 2かける6しゃく 約60×180cm 二六(にろく)
    6 五尺画仙 ごしゃくがせん 約84×150cm 中画仙
    7 四尺画仙 よんしゃくがせん 約69×136cm 全紙(ぜんし)・小画仙(しょうがせん)・四尺物(よんしゃくもの)
    8 聯落ち れんおち 約53×136cm ―
    9 半切 はんせつ 約34.5×136cm ―
    10 八つ切 やつぎり 約17.5×68cm ―
    11 全懐紙 ぜんかいし 約36.5×48.5cm ―
    12 半懐紙 はんかいし 約24.5×36.5cm ―
    13 半紙 はんし 約24.3×33.4cm ―

    よく使われる紙のサイズと呼び名

    四尺画仙(よんしゃくがせん)

    寸法は、69×136cm。別名を全紙(ぜんし)・小画仙(しょうがせん)・四尺物(よんしゃくもの)と呼びます。

    半切(はんせつ)

    寸法は、34.5×136cm。半切は四尺画仙(全紙)をタテ半分に切ったもので、伝統的に最も使われてきたサイズです。

    聯落ち(れんおち)

    寸法は、53×136cm。全紙を3/4にカットしたサイズです。
    公募展などで使用される、53×228cmの紙を同じ呼び方で呼ぶ場合もあります。
    しかし、現在では『本当の聯落ち』を使用する頻度が減っていることから、『聯落ち』とは「紙の幅」を指していることが多くなっています。
    この場合、「聯落ち」≒「聯落ち幅」≒「53cm幅」と解釈する必要があることも少なくありません。
    つまり、長さの確認を必ず行うことが必要になります。

    尺八屏(しゃくはっぺい)

    中国規格のサイズで、寸法は約53×234cm。日本規格のサイズは、約53×228cmです。
    長さに約6cmの差があることになりますが、いずれも公募展用として広く使用されています。

    2×8(にはち)

    2尺×8尺(寸法約61×242cm)のことですが、通常、「2×8(にはち)」というのは公募展での額サイズを指します。公募展などによく使われる最も大きいサイズです。注意が必要なのは、公募展のサイズは額装したときのサイズになりますので、「2×8(にはち)」の額サイズにマット部分を見せて作品を飾る場合は、少し小さめの53×228cm(1.75尺×7.5尺)の紙をお選びください。
    また、額一杯に作品を収め、マット部分を見せずに飾る場合には、60×240cmの紙をお選びください。

    2×6(にろく)

    2尺×6尺(寸法約60×180cm)のことですが、「2×8(にはち)」と同様、「2×6(にろく」というのは公募展での額サイズを指します。
    「2×6(にろく)」の額サイズにマット部分を見せて作品を飾る場合は、少し小さめの約53×170cm(1.75尺×7.5尺)の紙をお選びください。額一杯に作品を収め、マット部分を見せずに飾る場合には、60×180cmの紙をお選びください。



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  • 書道紙の「手漉き」と「機械漉き」

    書道紙の「手漉き」と「機械漉き」

    書道に使う紙は、製法によって「手漉き」と「機械漉き」に分けられます。
    もともと書道紙は手漉きですべて作られていましたが、西洋から洋紙(機械漉き)の技術が伝わり、機械漉きでも作られるようになりました。
    一般に、“手漉きの紙=よくにじむ”、“機械漉きの紙=にじみにくい”という印象を持たれる方が多いのですが、実際にはそういうわけではありません。
    ニジミに関しては、サイジング剤(にじみを止める薬)という薬剤で調整し、紙の原料の配合によってもニジミの程度に差が出ます。
    機械漉きの技術が近年進化し、手漉きに近い機械漉きの紙もあります。
    書遊Onlineでは、製法のほか、ニジミやすさの目安を載せております。
    書道紙を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

    こちらのコラムでは、日本の和紙における「手漉き」「機械漉き」の製法の違いと見分け方、特徴についてご紹介いたします。

    手漉き紙の製法

    手漉きの紙漉きの様子

    煮熟(しゃじゅく)

    手漉きの原材料を煮て、必要な繊維質を取り出します。
    和紙は、主に楮(こうぞ)・雁皮(がんぴ)・三椏(みつまた)を原材料に作られます。
    ソーダ灰を入れて煮ると白い紙になり、 何も入れずに煮ると自然の生成り色の紙になります。

    煮熟

    晒し(さらし)

    煮た繊維質をたっぷりの水に晒します。
    木の皮を煮ることで出てくる灰汁(あく)を洗い流します。
    昔は川の水を使って行われていましたが、今では大きな桶を使いたっぷりの水で晒しています。

    晒し

    叩解(こうかい)、叩打(こうだ)

    繊維質を叩き、繊維と繊維以外のものに分離させて、さらに細かい繊維を取り出します。
    叩きほぐすことで繊維がほぐれ細かく柔軟になります。
    不純物を取り除き、純度の高い良質の和紙にするためです。
    叩解した原料は一度脱水します。

    攪拌

    再度たっぷりの水の中で攪拌し、「とろろあおい」を混ぜます。
    とろろあおいの根を細かく潰して水に漬けておくと、ねばねばとした液体になります。
    このとろろあおいが、楮の繊維を均一に水の中に広げ、簀の上での水の引き方を調節する役割を果たすのです。
    攪拌がだんだん進むと、どろどろのお粥のようになり、繊維がふわふわと水面に浮いてきます。
    叩解が不十分だと、きちんと分散されないため漉き溜まりができる原因になったり、粗く腰の弱い強度の低い紙になってしまいます。

    紙漉き

    溶液を入れた漉舟(すのこ)を上下左右に揺らしながら漉いていきます。
    以前は、漉舟を漉槽に沈めてそれを持ち上げて濾していましたが、大きな紙だと均一な厚みで漉くことが難しいため、漉舟を固定して上から溶液を流し込むスタイルになったそうです。
    揺らして漉く方法は「流し漉き」と言われ一般的な手法ですが、すのこを動かさずに水分を落とす「溜め漉き」と言われる手法もあります。
    地域によって作り方が少し異なります。
    流し漉きは均一に漉くのが難しいとされています。

    紙漉き
    紙漉き
    紙漉き

    水抜き

    圧力をかけて余分な水分を落とします。
    一枚一枚漉いた紙をある程度まとめてひとかたまりにし、水抜きします。
    水抜きしない作り方をする地域もあります。

    漉いた紙をひとかたまりにする

    乾燥

    天日で乾燥させます。
    カチカチに乾燥するまで約10日間ほどはかかるそうです。
    カチカチに乾燥した紙の塊を、今度は一枚ずつはがすために水に浸します。
    浸しすぎても紙が破けてしまうし、水が少ないとはがれないため、とても慎重に作業を行います。
    大きな鉄板をアイロンのように熱し、そこに一枚ずつはがした紙を大きな刷毛を使って空気が入らないよう貼りつけて乾燥させます。
    手漉きの和紙の裏面に刷毛のあとが見られるのはこのためです。
    今ではほとんど鉄板が使われていますが、昔は木の板に貼り付けて天日乾燥させていました。

    刷毛で貼り付け
    乾燥

    ついに和紙の完成です。
    それぞれの工程で、職人の熟練の技術が必要とされる手漉きの和紙。
    ようやく出来上がった和紙は、必要なサイズに裁断されて製品になります。

    機械漉き紙の製法

    全てにおいて手漉きとは比べものにならなほど大きな機械を使います。
    大きな機械を使うことで、手漉きに比べて効率的に大量生産が可能となります。

    機械漉きの機械

    離解(りかい)

    大きな釜で機械を使い攪拌しながら、原料を煮ます。
    手漉きとは違い、パルプが主原料です。

    離解

    叩解・洗浄

    大きな釜で繊維質を叩き、繊維と繊維以外のものに分離させて、さらに細かい繊維を取り出します。
    叩きほぐすことで繊維がほぐれ、細かく柔軟になります。
    さらにたっぷりの水の中で攪拌していきます。
    ここでも手漉きよりも大きな機械で行います。

    紙漉き、脱水

    大きなベルトコンベアー式の機械を使い、すのこの代わりに硬い毛布を使用して紙を漉きます。
    毛布伝いに水分が下に落ち、紙の素が毛布の上に残ります。
    その後、いくつかの巨大なローラーで圧力をかけ、脱水を行います。

    紙漉き、脱水

    乾燥

    大きなドラム型のアイロンをあてて巻きながら、直接乾かします。
    アイロンをあてた面がツルッとしたきれいな紙の表になります。
    紙の裏面には毛布があてられていますので、手漉き紙のような刷毛目が紙に残りません。
    ドラムから出てきた紙をロール状に巻き取り、各サイズに裁断します。

    乾燥

    「手漉き」と「機械漉き」の見分け方

               
    手漉き機械漉き
    紙の裏面 刷毛目がある。刷毛目がない。全体的にうっすらと毛羽立ち(毛布の跡)がある。
    すのこ目(すの目とも) すのこ目がある。すのこ目がない。

    刷毛目

    手漉きの和紙は、乾燥させる際に大きな刷毛を使うため、紙の裏面に刷毛目が残ります。
    ちなみに、厚い紙には腰の強い刷毛を使うため刷毛目がしっかりつきますが、薄い紙には柔らかい刷毛を使うため刷毛目はうっすらです。

    すのこ目

    紙を漉く際に、手漉きの場合はすのこ(すだれ)を使うため、紙の表面にすのこ目(すの目)という縦横の線ができます。
    手漉きに似せた機械漉きの紙にも、すのこ目がある場合があります。

    手漉きのすのこ
    すのこ目(すの目)

    “手漉きの紙=よくにじむ” ではない理由

    ニジミは、原材料の配合や薬品によるニジミ止めで調整できる

    機械漉きだからニジミが少ない、手漉きだからニジミが多いというイメージをお持ちの方も少なくないようですが、実際にはそういうわけではありません。
    機械漉きでも手漉きでもニジミの調整を行うことができます。
    近年はニジミの少ない紙が好まれる傾向があるので、相対的にニジミが少ないように調整されている紙が多くなっています。
    和紙は主原料である楮・三椏・雁皮の割合が多くなればなるほどニジミが少なくなりますし、薬品を使ってニジミの調整をする場合もあります。

    ニジミの調整(サイジング)が行われるようになった背景

    昔は紙が漉かれた後、工場で一定期間寝かされた上で出荷され、問屋様・小売店様での寝かす期間を経て消費者に届き、さらには消費者が一定期間紙を寝かした上で使用されてきました。
    完成後の紙を「寝かす」工程が、いくつもの段階でなされていたのです。
    近年では、消費の減少とともに紙を「寝かす」という工程が省略されるようになってきています。
    そのため、消費者が購入後すぐに使用できるようにと、薬品を用いてニジミの調整を行うようになっています。
    このニジミを調節する薬品をサイジングと呼び、おおよそ10段階に分けられ、ニジミが調整されています。
    工場から消費者の手に渡るまでの期間を想定して調整が行われているため、消費者は紙を寝かすことなくすぐに使うことができるようになっています。
    すぐ使えて便利な反面、ニジミ止めが施された紙は「紙を寝かす」ことで紙質が大きく変わり、別の紙と思えるほどに変化してしまうことがあるので注意が必要です。 (一方、ニジミ止め加工が施されていない紙は「紙を寝かす」ことで水分や糊気が飛び、ニジミが抑えられたり、紙が締まることで書きやすい紙になります。)

    紙の出荷

    その他にも書道紙には、ニジミ止めに胡粉(ごふん)が使われているものもあります。
    胡粉が施された紙は、さらっとした手触りとマットな質感で白色が美しいのが特徴です。
    表面に細かい粉をまぶしたような質感なので、筆運びに少し引っかかりを感じますが、墨とのコントラストが美しくニジミにくい紙だと言えるでしょう。

    玉山

    ▲ 胡粉が使われている書道紙「玉山」

    まとめ

    書道紙の「手漉き」「機械漉き」についてご紹介しました。
    「こんな表現がしたい!」と思ったときに、「なら、こういう紙を使えばいいんだ」ということがわかるようになると書道がもっと楽しくなります。
    今回は書道紙の製法による違いをご説明しましたが、手漉き紙といっても、もちろん種類によって書き味は全く異なります。
    機械漉きでも同様です。
    さまざまな紙をお試しいただき、書道紙の奥深さを体感していただけますと幸いです。

    書遊Onlineでは、800種類以上の書道紙を取り扱っております。

    『書道紙』はこちら>>

  • 贈り物にも最適!本格写経セット

    贈り物にも最適!本格写経セット

    写経を始めたいと思っておられる方や、プレゼントにおすすめの写経セットをご紹介します。
    写経は様々な効果が得られると言われ、「気持ちがシャキッとする」「すがすがしい気分になれる」と写経を体験する方が増えており、
    特に女性を中心に人気が出てきています。
    ゆっくりと墨を磨ったり、集中する時間を持つことで毎日が充実します。

    写経の効果関連記事

    http://syoyu-e.com/article/column/syakyou_1

    水差しや筆置きまでそろっているので、届いた日から本格的に写経を始めることができます。
    全てを出してみるとこんな感じです。

    <セット内容>

    • 筆「写経筆」 1本
    • 墨「呉竹1.0丁」 1個
    • 硯3.5度 1面
    • 文鎮 2個
    • 水差し 1個
    • 写経のしおり 1冊
    • 写経お手本 1冊
    • 写経用紙 15枚

    セットに入っている写経のしおりには写経の功徳について、写経の書き方、般若心経の意味などが書かれています。初めて写経に取り組まれる方も安心して楽しく取り組むことができますね!
    お手本と、写経用紙が15枚入っています。最初はお手本を写して書くと始めやすいですよ。

    墨は学習、実用向け呉竹の「智印呉竹」で純黒の落ち着きのある墨色です。
    硯は「角上朱硯3.5度」羅文石ですみおりが良いのが特長。適度に硬度があって硯面がすりへりにくい硯です。

    入っている箱は、書いた作品を入れておくことができそうです。

  • 墨の継ぎ方

    墨の継ぎ方

    固型墨を日々磨り続けていると、だんだん小さく減っていき、手で握るのも難しくなってきます。
    短くなった墨は、「墨ばさみを使って磨る方法」と「墨と墨を継いで磨る方法」があります。
    職人さんが一丁一丁丁寧に手造りされてできた墨。小さくなってしまった墨も最後まで大切に使いきりたいものです。
    それでは意外と簡単にできるおすすめの「墨の継ぎ方」をご紹介します。
    小さくなった墨や折れてしまった墨でお困りの方はぜひ、この方法を試してみてください。
     

    墨は墨で継ぐ

    接着剤も市販されていますが、墨以外の成分で墨を継ぐのはちょっと心配になりますよね。
    墨の接着は接着剤を使わなくてもできるんです。
    墨は「膠(にかわ)」と「煤(すす)」と「香料(こうりょう)」からできています。
    この中の原材料のひとつである「膠(にかわ)」が、墨を固めるための接着剤の役割りを果たしています。
    そのため、濃く濃くネバネバになるまで磨った墨を継ぎたい墨同士に塗ることで、墨の品質や墨色を変えることなく安心して墨継を行うことができます。
     

    継ぎ方

    ①小さくなった墨を用意します。
    接着する接着面には、事前にぬるま湯に3分~5分程度浸けておくと良いでしょう。

    ②継ぎたい墨を両方とも墨の磨り口が平になるまで磨ります。
    折れてしまった墨の場合も同じですが、凸凹した面を平にするにはちょっと根気がいりますね。

    ③接着剤の役割となる濃い墨を作ります。
    ②で磨った墨を少量用意し、さらに継ぎたい墨で超高濃度の墨液を作ります。
    ここで磨る墨の濃度が接着力を左右しますので、墨はできる限り濃く、ドロドロからネバネバになるまで磨ってください。
    〈磨り始め〉

    〈ネバネバ状態〉

    ④ネバネバになるまで磨った墨を、②で平らにしておいた墨の磨り口に浸けます。
    あまりつけ過ぎる必要はありませんが、磨り口にまんべんなくつけましょう。

    ⑤接着面同士を合わせて、接着します。
    ズレないように注意し、両手でギューっと圧力をかけて、ふたつの墨を圧着します。
    できれば1分程度圧力をかけてください。
    接着部分の墨は乾くとやや縮まりますので、ここでは接着部分から墨がはみ出していても構いません。
    圧着した後、接着した周囲に接着に使ったドロドロの墨を筆や指で塗ります。

    ⑥接着部分が十分に乾くまで、自然乾燥させます。
    小さいものでも、芯のほうまで乾かすためには数日かかりますので、3日間は乾かしましょう。

    これで墨継ぎの完成です。

    お手元の小さくなった墨をどんどんくっつけていただき、ぜひ最後まで大切にお使いください。

     

    墨専用の接着剤を使う

    忙しくて時間がないときには、墨専用の接着剤を使って墨を継ぐのも一つです。
    手軽にできる墨専用の接着剤も販売していますので、必要に応じてお選びください。

  • 墨の磨り方

    墨の磨り方

    実は間違ってた?書道のプロが教える、本当の墨の磨り方

    書道を嗜む皆さん、「墨を磨る」という行為、どう感じていますか?
    「時間がかかって面倒くさい」「手が汚れるし、結局は市販の墨液で十分」…そう感じて、最近は固形墨から遠ざかっている方も多いのではないでしょうか。

    もし、その「面倒くささ」が、実はあなたの「墨の磨り方」が間違っているせいだとしたら?
    この記事では、多くの人が知らない、あるいは誤解している墨の磨り方の常識を覆します。
    たった5分で、驚くほど質の高い、自分好みの墨液を自在に作れるようになる「目からウロコの秘訣」をご紹介します。
    これを読めば、墨を磨る時間が、面倒な準備作業から創造的な楽しいひとときに変わるはずです。

    一般的な「あの方法」はなぜダメなのか?

    おそらく多くの人が、学校の書道の授業などでこう習ったのではないでしょうか。
    まず、硯のくぼんだ部分(海)に水をたっぷり入れ、そこから平らな部分(丘)に少しずつ水を移して墨を磨り、濃くなったらまた海に戻す。そしてまた丘に水を上げて…という繰り返し。
    一見、理にかなっているように思えるこの方法ですが、実は非常に非効率的です。
    専門的な視点から見ると、この方法には主に3つの大きな問題点があります。

    • 時間がかかりすぎる 硯の海にある全体の水を、均一な濃さにするには、途方もない時間がかかってしまいます。非常に効率が悪い方法と言わざるを得ません。
    • 「面倒くさい」という気持ちになりやすい 時間がかかるということは、それだけ手間もかかるということです。結果として、「墨を磨るのは面倒だ」というネガティブな感情が生まれ、書道そのものから足が遠のく原因にもなりかねません。
    • 墨が持つ本来の良さを引き出せない このやり方では、墨が持つ本来の美しい発色や伸び、香りのようなポテンシャルを最大限に引き出すことができません。せっかくの良い墨も、これでは宝の持ち腐れです。

    つまり、この方法は水を主体に考えすぎているため、肝心の墨の粒子を効率よく水中に分散させることができないのです。
    本記事で、「本当の墨の磨り方」をご紹介しますので、ぜひご参考ください。

    新常識!正しい墨の磨り方

    ①水は「500円玉大」から始める。
    では、正しい方法とは一体どのようなものでしょうか。ここからが本題です。
    まず、硯の丘(墨を磨る平らな部分)に水を垂らします。この時の水の量が、最も重要な「ミソ」です。硯の海が満たされるほどの水は全く必要ありません。必要なのは、500円玉くらいの大きさのごく少量の水だけです。
    そう、たったこれだけでいいのです。このごく少量の水から始めることが、短時間で濃厚な墨を作るための最大の秘訣です。

    ②ネバネバになるまで約5分、ひたすら濃く磨る。
    500円玉大の水を垂らしたら、あとはひたすら磨っていきます。ここでの目標は、墨がネバネバの状態になるまで、とにかく濃く、濃く磨り続けることです。
    水の量が少ないため、驚くほど短時間で墨は濃くなっていきます。この作業にかかる時間は、わずか5分程度。今まで何十分もかかっていたのが嘘のように感じるはずです。
    ちなみに、磨り方について「『の』の字に磨るのが良い」「いや、縦に磨るべきだ」など様々な説がありますが、どちらの方法でも全く問題ありません。ご自身がやりやすい方法で、とにかく濃くすることに集中してください。

    ③墨の香りが「フワッ」としたら完成のサイン。
    「ネバネバになるまで」と言われても、どのタイミングで止めればいいのか分かりにくいですよね。実は、その完璧なタイミングを、墨自身が教えてくれるサインがあります。それは「香り」です。
    無心で墨を磨り続けていると、ある瞬間、墨に含まれている香料の香りが「フワッ」と立ち上ってくるのを感じる時が来ます。これこそが、墨が「もう十分だよ」と私たちに語りかけてくれているサインなのです。
    道具と対話し、五感で完成を感じ取る。これこそが、墨を磨る行為の醍醐味の一つと言えるでしょう。

    ④発想を逆転させる。「濃縮液」を作ってから薄める
    さて、香りのサインを受け取り、丘の上には「超超超濃墨」とも言える、粘度の高い墨の原液が完成しました。もちろん、このままでは濃すぎて文字は書けません。
    ここから、硯の海に少しずつ水を加え、この濃縮された墨を溶きながら、自分の書きたい作品に合わせた好みの濃度に調整していきます。

    この方法の核心は、発想の逆転にあります。
    「最初からだんだん濃くしていく、という方法ではありません。最初に、とにかく濃い、超濃厚の墨の原液を作ってしまう。そこから水で薄めて、好みの墨液を作る。全くの逆の方法ですね。これが、正しい墨の磨り方なんです。」
    つまり、「薄い状態から少しずつ濃くしていく」のではなく、「最初に極限まで濃い原液を作り、そこから水で薄めて調整する」のが正解なのです。絵の具を水で溶くのと同じで、まず「原液」ありき、と考えるのがコツです。


    ただし、水を加える際は注意が必要です。一気にたくさんの水を入れてしまうと、せっかく作った濃墨が一気に薄くなりすぎてしまいます。少しずつ、慎重に水を加えながら、最適な濃度を探っていきましょう。

     

    ⑤磨り終えた墨は磨り口の水分を布や紙などで丁寧に拭き取り、手入れしてからきちんと桐箱に入れて保管しましょう。

    墨を磨る「本当の楽しさ」を再発見しよう

    今回ご紹介した方法は、これまでの常識とは全く逆のアプローチだったかもしれません。しかし、この方法を一度試していただければ、その効率の良さと仕上がりの質の高さに驚くはずです。
    この手順さえ守れば、もう墨磨りに時間や労力をかける必要はありません。淡墨から濃墨まで、自分の表現に合わせた墨色を、短時間で自由自在に作り出すことができます。
    「墨を磨る」という行為は、単なる書くための準備作業ではありません。自分の作品に最適な墨を作り出す、創造的なプロセスそのものです。
    今まで面倒だと思っていた墨磨り、少し試してみたくなりませんか?この方法なら、墨を磨る時間そのものが、作品作りの一部として心から楽しめるはずです。ぜひ、墨との対話を楽しんでみてください。

    墨の動かし方

    墨を磨る方法としては、大きく分けて2種類あります。

    A:「の」を描くように円を描くような感じで磨る方法

    円を描くように磨るこの方法は、自然に力が抜けるといわれる反面、硯に墨カスが溜まりやすいと言われます。

    B:「N」を描くように直線的な感じで磨る方法

    直線的に磨る方法は、力が入りやすくなる反面、硯に墨のカスが溜まりにくいと言われています。

    直線的に磨る方が墨の真色を出すといわれることもありますが、どちらが正しいとは言えません。
    ご自身の動かしやすい方で磨ることが大切です。

    墨の持ち方

    墨を硯にあてる角度はどの角度が良いのか、実際のところはどうなのか疑問に持つ方もおられるのではないでしょうか。
    墨の持ち方も大きく分けて2種類あります。硯との接地角度が垂直の場合と斜めの場合です。

    時間がないから早く墨を磨りたいという場合には、墨と硯との接地面積を広くすることが重要になってきます。磨り口が大きくなれば、結果早く磨れることに繋がるのです。

    A:墨を真っすぐ立てる持ち方

    墨を硯面に対して垂直に接地させて立て、磨り口を平にする方法です。
    磨り口の大きさはずっと同じままですが、磨り始めの硯との接地面積はBと比べて大きいです。

    〈磨り口を平らにする〉

    B:墨を斜めにする持ち方

    墨を硯面に対して斜めに接地させる持ち方です。表裏を交互に磨ることにより、磨り口をV字型にする方法と片側だけを磨り磨り口を鋭角にする方法があります。磨り始めの硯との接地面積は小さいですが、磨ることで徐々に広がっていき鋭角になると最も面積は大きくなります。

    〈磨り口をV字型にする〉

     

    〈磨り口を鋭角にする〉

    墨の持ち方を3つご紹介しましたが、この中のどの方法を選んでいただいても構いません。
    墨の持ち方によって墨色が変わるということはほとんど考えられませんが、

    ご自身が磨りやすい方法を選んで、上手に磨ることが大切です。

    墨を早く磨る方法

    忙しい現代人としては、墨が早く磨れるにこしたことはないでしょう。
    では、墨を早く磨るにはどうすれば良いのでしょうか…?その答えはいたってシンプル。

    墨と硯の接地面積を広くすることです。最も墨を早く磨るという点では、墨の持ち方B(墨を斜めに持ち片側だけを鋭角に磨る方法)がおすすめです。完全な斜めになるまで時間は掛かるかもしれませんが、硯との接地面積が広くなれば、結果早く磨れることになります。

    大きな硯に墨を2~3本重ね合わせて磨れば、硯との接地面積が広くなり早く磨ることができる方法もありますが、あまり現実的ではありません。

    時間がない場合には、墨を磨ってくれる「墨磨り機」を使う方法もおすすめです。
    大作を書くためにたくさんの墨が必要なんていう場合にも墨磨り機をお使いいただけます。

  • 筆のおろし方

    筆のおろし方

    書の道具のお手入れはとっても大切です。
    お手入れ次第で良い筆もすぐにダメになってしまいます。
    筆を大切に使う手始めについてご紹介します。
    買ったばかりの筆は最初からさばいてある筆もありますが、糊で固めてある筆がほとんどです。
    さばいてある筆はそのまま使えますが、固め筆はまず筆に付いてある糊を取らないと墨が毛にのりません。従って、筆を十分に使いこなす事ができません。

    わかりやすいお手入れ方法をご紹介いたしますので、目的に応じておろし方をお選びください。

    穂全部をおろす

    条幅や大きな作品を書くときは、筆に墨を多く含ませて書きます。また、羊毛など毛質の柔らかい筆で書くときは穂全体を使って繊細に表現します。こういった場合、穂全体を使う必要があるため全部おろして使います。太筆は穂全部をおろすのが一般的です。

    おろす部分

    穂の根本から穂先まで全部

    おろし方

    ①ぬるま湯を用意し、筆先をつけます。

    ②穂先から根本へ順に指で丁寧にほぐします。

    ③ぬるま湯が濁ってきます。筆の中(筆管)の糊も十分に取り、紙や布で水分を拭き取ります。(抜け落ちる細かい毛は取り除いてください。)

    穂先だけをおろす

    写経・かな文字・名前書きなどの細字用の筆は穂先だけを使います。
    そのため全部おろさずに、穂先だけをおろします。
    穂先をどのくらいおろすかで、文字の太さや書き方が変わります。
    穂先の利きをより活かすため、剛毛などの毛のかたい太筆でも
    敢えて穂先だけを使う場合もあります。
    ご自身の目的に合う長さに調節してください。

    おろす部分

    穂先の3分の1程度まで

    おろし方

    筆の種類により、細筆・かな筆・太筆それぞれのおろし方をご覧ください。

    ①ぬるま湯を用意し、筆先の3分の1程度をつけます。
     ご自身でどのような字を書きたいのかを思い描いてから、おろす長さを決めるとよいでしょう。

    〈細筆の場合〉

    〈かな筆の場合〉

    〈太筆の場合〉

    ②おろさない部分を残し、穂先から指で丁寧にほぐします。水につける必要はありません。そのまま穂先1/4程度、巻き毛タイプ(穂先の色がついた部分と化粧毛(飾り毛)はおろし過ぎると化粧毛がばさつきます。

    〈細筆の場合〉

    〈かな筆の場合〉

    〈太筆の場合〉

    ③糊を十分に取り、保護紙や布で筆を回転させながら水分を拭き取ります。(抜け落ちる細かい毛は取り除いてください。)

    〈細筆の場合〉

    〈かな筆の場合〉

    〈太筆の場合〉

    固め筆を濡らさない状態のまま無理におろすと、毛が切れてしまうことがありますのでおやめください。

    捌き筆(さばきふで)の場合

    穂全体をのりで固めない状態の筆で、散毛筆とも呼びます。
    この場合はそのまますぐに使うこともできますが、もし気になるようでしたら
    軽く水ですすいでから使用してもよいでしょう。

    仕上げとして流水で洗った後、不要な毛を筆櫛で整え、その筆は、十分に乾いた後に利用するのが最良です。筆をおろした直後は乾燥させてから利用しましょう。キャップは密封された状態になりますので、先を切る事で通気性がよくなります。

    筆のおろし方は基本的なことになりますが、書道におけるすべてに繋がってくることだと言えるのではないでしょうか。
    丁寧に使い始め、一本一本を大事に長く使い続けたいものです。


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  • 紅星牌の選び方

    紅星牌の選び方

    紅星牌は原料の配合・厚みなどで違う名前がついています

    紅星牌を購入しよう!と思っても沢山種類があって分からない。
    そんな方に紅星牌の種類と特徴をご紹介いたします。

    ニジミと墨色を基準に、自分にぴったりの紅星牌を選ぼう!

    1.原料の配合の違いで「ニジミ」が違う2種類に分かれます。
     「棉料」青檀皮約30%、稲藁約70%使用。
     稲藁が多いので、浄皮に比べニジミが多い。
     きめが細かく、美しいにじみを出すことが出来ます。
     「浄皮」青檀皮約40%、稲藁約60%使用
     稲藁の割合が少ないので、棉料に比べニジミが少ない。
     青檀皮が多いので薄く丈夫です。

    2.紙の厚みで「墨色」に、運筆にも違いが生まれます。
     紙が厚ければ厚い程、墨が紙に深く浸透し力強さを表現できます。
     反面、墨の吸い込みが強いので、筆の動きが重くなります。
     墨の量も沢山必要になり、同時にカスレが出やすくなります。
     紙が薄ければ、墨が紙の裏まで到達しやすいので、切れ味を表現しやすくなります。
     また、墨の吸い込みが弱くなりますので、筆の動きが軽くなります。

    3.自分にぴったりの紅星牌を見つけるために
     筆や墨・筆圧により同じ紙でも違ってきますので、下記一覧表を参考に様々な種類を試してみてください。

    紅星牌 種類一覧

    1.棉料単宣
     基準となる種類。薄手で稲藁の割合が多い為、浄皮単宣に比べニジミが多くなります。
    2.浄皮単宣
     厚さは「棉料」単宣と同じ。
     稲藁の割合が棉料単宣に比べ少ないので、棉料単宣よりもニジミが少なくなります。
    3.棉料重単宣
     単宣を少し厚く漉いています。棉料単宣よりもニジミが少なくなります。
    4.棉料綿連宣
     単宣よりも薄く漉いています。薄いのでニジミが美しく出ると言われています。
    5.棉料夾宣
     漉く際に二度すくいして漉いており、単宣を2枚合わせにした程度の厚さがあります。
    6.棉料二層夾宣
     夾宣を乾燥させる際に2枚重ねにし、1枚の紙として乾燥させています。
     厚さがある為墨が紙の奥深くに浸透し、横への広がりが少なくなります。
     夾宣よりも更に力強さが表現できます。
    7.棉料三層夾宣
     夾宣を乾燥させる際に3枚重ねにし、1枚の紙として乾燥させています。
     厚いので力強さとカスレが出せます。



  • 美濃和紙大人のレターセット

    美濃和紙大人のレターセット

    大人の風格を感じさせるレターセット

    落ち着いた大人の雰囲気の美濃和紙のレターセットを入荷しました。
    伝統技法を用いた落水紙のシリーズです。
    落水紙とは、抄きたての和紙の上からシャワーをあてて水の模様が和紙に施す技法です。
    模様が透けて見えるのが特徴です。このレターシリーズは縁起が良いとされている落ち着いた色の柄が底面に印刷されていて、可愛らしさと大人の雰囲気があります。
    きちんとした場面、気軽な友人へどちらにも使用できそうなレターセットですね。
    用紙の色は純白と生成り、便箋、封筒、一筆箋をご用意しています、シーンに合わせてお使いください。

    おめでたい柄は全部でなんと6種類!男性にも女性にも人気の柄が揃っています。
    かわいいらしく喜ばれる七宝模様・・・家庭円満、子孫繁栄
    涼し気な青海波模様・・・未来永劫
    どんな方にも麻の葉柄・・・成長、厄除け
    落ち着いて可愛らしい雰囲気の菊菱文様・・・不老不死、延命長寿、邪気払い、子孫繁栄、無病息災
    男性にもおすすめ若松菱紋様・・・長寿、子孫繁栄、無病息災
    スタイリッシュな亀甲模様・・・長寿

    贈り物やお金などにちょっと一言一筆箋を添えるだけで、受け取った人に気持ちが伝わります。
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    縁起が良いとされている柄なので、お祝いのお手紙を書くのにピッタリ。
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